第25回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 表彰式

活躍たたえ飛躍期待 6団体、5個人を表彰  (2014/2/28)

山陰中央新報スポーツ優秀選手賞を受賞した選手と関係者の皆さん=松江市殿町、山陰中央新報社

 2013年の全国規模の大会で優秀な成績を収めた島根県内の中学、高校生をたたえる第25回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞の表彰式が27日、松江市殿町の山陰中央新報社であり、次代の島根スポーツ界を担う6団体、5個人が受賞を機に一層の飛躍を誓った。

 受賞した団体は、高校が出雲男子弓道部、石見智翠館女子ラグビー部、横田男子ホッケー部、中学はソフトテニス男子県選抜、仁多男子と横田女子のホッケー部。

 個人は、高校が陸上男子棒高跳びの金山周平選手(大社)、沢慎吾選手(同)、重量挙げ女子の渡部柚奈選手(出雲農林)、中学はスキー女子アルペンの広瀬菜実選手(松徳学院、現青森・柴田女高)、陸上男子短距離の花田達也選手(出雲一)の5選手が選ばれた。

 表彰式で山陰中央新報社の森脇徹男社長が「皆さんの活躍が県民に夢と希望を与えてくれた。世界に羽ばたく選手になってほしい」とあいさつ。選考委員長の久保田康毅島根大名誉教授が「高い目標を持って研さんを積んでほしい」と激励し、森脇社長が受賞者に記念盾などを贈った。

 受賞者を代表し、出雲高男子弓道部の高瀬篤志主将が「あらためて多くの皆さんに支えられているのを実感した。今後も技術、精神両面を鍛えたい」とさらなる成長を誓った。

第25回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 受賞者の横顔

 第25回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞の表彰式が27日、松江市殿町の山陰中央新報社であった。受賞したのは島根県内の中学生、高校生で2013年の全国規模の大会で優秀な成績を収めた6団体、5個人。それぞれの活躍と横顔を紹介する。

出雲高校男子弓道部

全国高校選抜大会で初優勝を飾った(左から)出雲の藤田波輝、溝部裕介、高瀬篤志の各選手=2013年12月23日、大阪市中央体育館

4度の競射制し初優勝

 昨年12月の全国高校選抜で初優勝した。決勝は4度の競射にもつれ込む激戦を制して県勢2大会ぶり4度目の栄冠を射止め、島根弓道のレベルを示した。

 藤田波輝、溝部裕介、高瀬篤志の3選手で編成。渡部敏郎監督が「予選敗退も日本一も紙一重。最も大切」と位置付けた予選を12射9中で突破し、5度目の出場で初の決勝トーナメントへ進出した。

 上位16校による決勝トーナメントは、大前の藤田選手がチームに流れを持ち込み、秀岳館(熊本)など強豪校を次々と撃破。札幌第一(北海道)との決勝は、4度の競射を3人とも的中させて12―11で下した。1日に放つ矢は1人16本。練習量は強豪校の5分の1にも満たないが、基本動作を磨き上げた成果が大舞台で結実した。

 次なる目標は5人立ちで争う全国高校総体。「まずは県代表になれるよう精進し、インターハイも頂点を狙う」と高瀬主将。冬の選抜で自信を深めた3人は全国2冠を思い描いている。

石見智翠館高校女子ラグビー部

全国高校選抜女子セブンズラグビー大会で初優勝した石見智翠館女子ラグビー部=2013年4月5日、埼玉県熊谷市、熊谷ラグビー場

劇的勝利で頂点に立つ

 昨年4月の全国高校選抜女子セブンズラグビー大会で悲願の初優勝を飾った。磯谷竜也監督は「全国常連の男子ラグビー部にも引けを取らない一体感があった」と振り返る。

 合同チームで臨んだ前回とは異なり、単独校として出場。予選を1位通過し、3チームによる決勝リーグ初戦のYRA中心神奈川戦で真価を発揮した。

 試合終了間際で14-20。残された攻撃の機会は1回と窮地に立たされた。だが、グラウンド上の7選手は「ボールを動かす自分たちの形」(磯谷監督)を忘れていなかった。

 スクラムから大きく展開し、最後はBK青木蘭選手が左サイドを駆け上がって中央に起死回生のトライ。BK福島わさな選手が逆転のキックを決め、ノーサイドの笛が鳴った。劇的な逆転勝利で波に乗り、頂点に立った。

 全員が寮生活を送り、意思疎通を図ってきた。磯谷監督は「突出した選手がいたわけではない。チームでつかんだ優勝だ」と喜びをかみしめた。

横田高校男子ホッケー部

全国高校選抜大会で準優勝した横田高男子ホッケー部=島根県奥出雲町稲原、横田高

全国高校選抜で準優勝

 全国の初陣となった昨年3月の全国高校選抜で準優勝した。頂点にはあと一歩届かなかったが、伊藤直登監督は「競った試合を勝ちきる強さがチームにはあった」とたたえた。

 強豪の伊吹(滋賀)と相まみえた準々決勝がヤマ場だった。直近の全国大会では、伊吹の牙城を崩せず涙を流した先輩の姿を見てきただけに、内田健斗前主将ら選手全員が「先輩の分まで」と心を一つに戦った。

 前半序盤に先制を許したものの、慌てず後半に得点。PS戦では4人連続でシュートを決めてリベンジした。続く準決勝も競り勝ち、最高のムードで決勝に臨んだが、天理(奈良)にははね返された。

 準優勝は誇れる成績だが、残る選手たちには2年連続で無冠でシーズンを終えた悔しさが募る。新主将の落合晴輝選手は「横田の時代は終わった、と言われたくない。もう一度、全国で横田の強さを証明する」と一心不乱に練習を重ねる。常勝軍団の復活を懸けた戦いは既に始まっている。

ソフトテニス中学男子島根選抜

都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会で県勢初の優勝を飾った男子島根選抜=2013年3月28日、三重県伊勢市、同県営サンアリーナ

島根の歴史を塗り替え

 昨年3月の都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会で初優勝し、島根のソフトテニス界の歴史を塗り替えた。これまで2002、06年と準決勝の壁に2度阻まれてきただけに、優勝を決めた瞬間、三上真倫監督には言葉にできない感情がこみ上げたという。

 14歳以下日本代表で、小学時からペアを組む内田理久・山根稔平両選手を中心に、全国で戦える布陣がそろった。内田主将も「目標は優勝」と闘志をたぎらせていた。

 エースペアは期待通りの活躍を見せた。優勝候補の愛知と相まみえた初戦の2回戦で、内田・山根組は後衛の山根選手が正確なストロークで相手を崩し、前衛の内田選手が決定機を逃さず圧勝して流れをつくった。原田裕二・水津涼平両選手のペアも奮起した。

 保護者も懸命に声援を送り「日本一の応援が後押ししてくれた」と内田主将。今年はコーチとして帯同する三上監督は「連覇に挑戦できるのは島根だけだ」と上位を見据える。

仁多中学校男子ホッケー部

全日本中学生ホッケー選手権で準優勝した仁多男子ホッケー部=2013年8月19日、岐阜県各務原市、同県グリーンスタジアム

強豪破り2年連続準V

 昨年8月の全日本中学生ホッケー選手権で、2年連続で準優勝した。8年ぶりの頂点には届かなかったが、和田守貴行監督は「精神的なたくましくさが光った」と奮闘をねぎらった。

 「決勝に行く力は備えていた」と和田守監督。井上幹太主将、平田大成選手ら個人技のある3年生がコートを駆け回り「全員が攻撃と守備で連動するホッケー」(井上主将)で着実に勝ち上がった。

 予選リーグでは前年覇者の彦根南(滋賀)に対し、後半残り8分で3-5と劣勢に立たされたが、藤原千里、吉川大希両選手のゴールで引き分けに持ち込んで流れに乗った。

 決勝トーナメントは3試合で15得点と攻撃が爆発。朝日(福井)との決勝は無得点で敗れたが、右サイドから仕掛ける攻撃的ホッケーを出し切った。

 新チーム結成当初は西日本大会のベスト8が最高だった。井上主将は「才能はいつ開花するか分からない。後輩には厳しい練習に取り組んでほしい」と頂点に期待している。

横田中学校女子ホッケー部

全日本中学生ホッケー選手権で準優勝した横田女子ホッケー部=2013年8月19日、岐阜県各務原市、同県グリーンスタジアム

最高峰の舞台で躍動

 昨年8月にあった6人制ホッケー大会の最高峰となる全日本中学生選手権で準優勝した。全国大会出場も危ういと言われてきた時期を乗り越え、最高の舞台で躍動した。

 メンバー12人中、3年生は石原歩華主将を含め3人。年齢の違いが体力や技術に大きく表れる年代だけに、横田は他校に比べてハンディがあった。

 だが、OBの熱心な指導と保護者の協力で根気強く練習を重ねた。予選リーグを1位通過すると、近畿1位の伊吹山(滋賀)との準々決勝は、2年生FWの小早川志穂選手が全4得点を挙げて逆転勝ちし、準決勝は優勝候補の朝日(福井)を退けた。

 蟹谷(富山)との決勝は、延長で2-3で惜敗したものの、3年の石原、DF安達あすかの両選手が得点して意地を見せた。

 決勝で涙をのんでから半年がたった今も、石原選手の悔しさは消えていない。新主将に任命された小早川選手は「勝ちにこだわる」と悲願の全国制覇に向けた思いを口にする。

大社高校3年 金山 周平選手(陸上)

全国高校総体男子棒高跳びで、高校山陰新の5メートル05で準優勝した金山周平選手=2013年7月31日、大分市、大分銀行ドーム

12年ぶり山陰記録更新

 昨年7月の全国高校総体で高校山陰記録を12年ぶりに5センチ更新する5メートル05を跳んで準優勝した。7位入賞した2年時に続く2年連続入賞。「2年時は上位との差を感じたが、自分の力を出し切れた。最高にうれしい」と振り返る。

 シーズン当初は調子が上がらなかった。チームメートの来間弘樹、沢慎吾両選手の後じんを拝し、インターハイ前は「不安が大きかった」という。

 だが、大舞台で勝負強かった。決勝は4メートル90に11人が残る混戦となり「精神的にも体力的にもきつい試合だった」が、ポールの反発を計算に入れた跳躍で記録を伸ばし、自己記録を10センチ更新する5メートル00は1回目で成功。5メートル05は2回失敗したものの「練習通り平常心で跳ぶ」と心に決めた最終3回目でクリアした。

 1年時の県総体でメンバー入りを逃し「絶対に全国で勝つ」と誓って以降、朝練習を1日も欠かさず続けた。ライバルにも恵まれ、技術を磨いた努力家が大一番で輝いた。

大社高校2年 沢 慎吾選手(陸上)

日本ユース選手権男子棒高跳びで、4メートル90で準優勝した沢慎吾選手=写真は昨年7月の全国高校総体

高校総体に続く全国入賞

 昨年10月の日本ユース選手権で、4メートル90を跳んで2位に入った。自己新となる5メートル00で4位に入った同7月の全国高校総体に続く全国での入賞。「うれしさはインターハイの方がまさったが、連戦の中でも安定した跳躍ができた」と手応えをつかんだ一戦となった。

 1年時のベスト記録は4メートル50だったものの、冬場で練習を積み、2年春から急成長した。身長181・5センチの恵まれた体格を生かして反発の強いポールを巧みに操れるようになり、県総体では4メートル90を跳んで「感覚をつかめた」と類いまれな才能を開花させた。

 全国高校総体の入賞で勢いに乗り、日本ユース選手権でも4メートル90を1回目でクリア。高いレベルで力を発揮できる選手に成長し「技術を指導してくれた先輩たちのおかげ」と振り返る。

 最高学年を迎える2014年、見据えるのは全国高校総体、国体、日本ジュニア選手権の高校3冠。先輩がなし得なかった偉業も夢物語ではない。

出雲農林高校3年 渡部 柚奈選手(重量挙げ)

全日本女子選抜選手権でトータル123キロを挙げて準優勝した渡部柚奈選手=写真は昨年6月の県総体

リベンジの舞台で2位

 昨年11月の全日本女子選抜選手権高校48キロ級で、トータル123キロを挙げて2位に入った。高校最後の大会で自己最高成績を残し「初めてメダルが取れた。すごくうれしい」と顔をほころばせた。

 中学時代は合唱部に所属。友人に誘われて高校から競技を開始したが、天性の運動神経と負けず嫌いな性格がかみ合い、1年時から全国大会に出場した。

 しかし、全国では結果を残せず、2年時の全国高校選抜は緊張で力を発揮できず7位。3年夏の全国高校女子選手権は初入賞したものの、親指のけがで6位に終わった。

 リベンジの舞台となった全日本女子選抜。スナッチは2回失敗しながらも最終3回目に53キロを成功し、得意のジャークは自己タイの70キロを挙げた。

 卒業後は、ロンドン五輪に出場した八木かなえ選手が所属する強豪の金沢学院大へ進学する。148センチ、45キロの18歳は「強い先輩たちの技術を盗み、大学ナンバーワンになる」と高みを目指す。

青森・柴田女子高校1年(松徳学院中出身)
広瀬 菜実選手(スキー)
全日本ジュニア選手権スーパー大回転中学女子の部で優勝した広瀬菜実選手=写真は今年1月の青森県での大会

県勢初優勝の快挙達成

 昨年2月の全日本ジュニア選手権スーパー大回転中学生女子の部で、県勢初優勝の快挙を達成した。大けがを乗り越えてタイトルを獲得し「自分らしい攻めの滑りができた」と振り返る。

 小学校入学と同時に本格的に競技を開始。国内では県スキー連盟アルペンコーチで医者の父・方志さん(50)と二人三脚で練習する一方、夏場はニュージーランド、冬場は北海道に遠征した。

 小学6年時には全国大会で上位入賞したが、中学1年の冬、試合中に転倒し右膝靱帯(じんたい)を損傷。手術を乗り越えた全日本ジュニア選手権は、吹雪の悪状況だったものの「攻めの滑りを」との方志さんのアドバイスを受け、スピードある滑りで57人中トップの1分30秒21でゴールし、2位に0秒33差をつけて頂点に立った。

 強豪の柴田女高に進学して競技を続けている。「環境は充実している。課題を一つずつ克服し、全国高校総体で優勝したい」と夢を膨らませる。

出雲第一中学校3年 花田 達也選手(陸上)

全日本中学男子100メートルで準優勝した花田達也選手=出雲市大社町北荒木、県立浜山公園陸上競技場

地道な研さんを重ね成長

 昨年8月の全日本中学男子100メートルで10秒93の好記録で準優勝した。目標の優勝にはわずか0秒01届かず「悔しいが、高校では挑戦者としてトップを追うことができる」と結果を前向きに捉える。

 準決勝では出場選手中最速となる自己タイの10秒92をマークして決勝に進出。好スタートを切った決勝は、60メートル過ぎから並走する選手を意識しすぎるあまり、やや全体に力みが生まれたものの、2位に食い込んだ。

 中学生になってから本格的に短距離に取り組んだ。166センチの身長は決して恵まれているとはいえないが、自宅で毎日筋力トレーニングを続けるなど地道な研さんを重ね、全国トップクラスの選手に成長した。

 高校は地元の大社に進学し、1年時には国体少年男子Bで優勝、3年時には全国高校総体での頂点を思い描く。「将来は9秒台を出せる選手になり、オリンピックに出場したい」。15歳のスプリンターには無限の可能性が広がっている。

第25回山陰中央新報スポーツ優秀選手賞 選考委員(順不同、敬称略)

島根大学名誉教授 久保田康毅
島根県教育庁保健体育課長 野津 建二
島根県体育協会専務理事 下岡 博司
島根県スポーツ推進委員協議会会長 藤村 一男
島根県高等学校体育連盟会長 山本 篤治
島根県中学校体育連盟会長 藤村  曻