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| 「ドジョウが大きく育つとうれしい」と笑顔で話す石原修市さん |
労力惜しまぬ”百姓”自任
民謡「安来節」と「どじょうすくい踊り」で有名な安来市で、同市と農家などが特産化を進めている養殖ドジョウ。やすぎどじょう生産組合(33戸)の中心メンバーの一人として、養殖に情熱を燃やす石原修市さん(75)=同市鳥木町=は「自然が相手で難しい。大きく育ち、いいドジョウだと喜んでもらえると、うれしくなる」と顔をほころばせる。
石原さんは、自宅近くの休耕田を活用し、シートを張って9区画の養殖池(約1500平方メートル)を管理。現在、年間100キロ余りのドジョウを生産している。
ドジョウは、5月末から6月初めごろに産卵。養殖技術の研究開発を担う、やすぎどじょう研究所(同市西松井町)が種苗生産を担当し、体長4センチほどの幼魚を、石原さんら生産者たちが育てている。
組合が決めているドジョウの規格は、引き合いが多く高値が付く大(平均体長13・1センチ)から中(11・2センチ)、小(8・7センチ)まで。以前は秋から出荷が中心だったが、幼魚の育成技術の考案や餌の改良の努力が実り、東京などで需要期となる夏場の出荷が増え、周年出荷が可能になったという。
出荷するドジョウは、餌を仕込んだかご(捕獲器)を養殖池に入れ、一晩たってから引き上げて捕獲する。水温の低い冬場のドジョウは水底の泥にもぐっているため、捕獲しにくい。それでも、石原さんがかごを次々と引き上げると、ドジョウが数匹ずつ入っており、体長15センチを超す大物も交じって、くねくねと元気な姿を見せた。
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| 棚田を整備した養殖池からドジョウを捕獲する石原修市さん |
石原さんは安来高校を卒業後、農家の長男として家業を継ぎ、稲、麦、ジャガイモ、サツマイモなどを栽培し、養豚も経験した。ドジョウ養殖は、減反で休耕田になっている水田を「荒らしたくない」との思いからスタート。専門書を読んで勉強を始め、自宅近くの棚田を整備して養殖池を作り、2002年から着手した。養殖池周辺の草刈りだけでも大変な労力だった。
最初はドジョウが思うように育たず、池から逃げ出したり、サギやウなどの野鳥に悩まされたり、稚魚、幼魚の代金分すら回収できない厳しい状況が続いた。「試行錯誤の連続で、やめようと思った。自信を持って生産できるようになったのは、ここ3、4年前から」と振り返る。
石原さんら組合員が育てたドジョウは、市内の飲食店はもとより東京、金沢など全国各地へ生きたまま販売。東京のドジョウ料理の老舗などから高い評価を受け、韓国産や中国産などと比べて高値で買い求められている。
石原さんは「農業は事業で、百姓とは違う。労力を惜しまず、草を取り、コメを作り、豚やドジョウを育て、造園も勉強してきた。百のことをするのが百姓」と話し、自らを「百姓」と称す。養殖の規模拡大や生産量アップは頭になく「いいドジョウ、大きなドジョウを育てたい」と張り切る。 (生活文化部・平井誠司)
('10/03/15 無断転載禁止)
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