天皇、皇后両陛下がインド公式訪問

両陛下がインドから帰国 53年ぶり公式訪問    (2013/12/06)

インド訪問から帰国された天皇、皇后両陛下=6日午前10時5分、羽田空港

 インド公式訪問を終えた天皇、皇后両陛下は6日午前、政府専用機で羽田空港に到着された。昨年の国交樹立60周年を記念して、国賓として11月30日から1週間の日程で訪れた。同国への公式訪問は、昭和天皇の名代として皇太子夫妻時代に訪れた1960年以来、53年ぶりだった。

 両陛下は約7時間のフライトにも疲れた表情を見せず、しっかりとした足取りでタラップを下り、専用機の脇で出迎えた皇太子、秋篠宮両ご夫妻や、安倍晋三首相らとにこやかに言葉を交わして車に乗り込んだ。

 最初の訪問地、ニューデリーでは大統領主催の歓迎式典や晩さん会に出席。「インド独立の父」マハトマ・ガンジーが火葬された場所「ラージ・ガート」で供花した。皇后さまは、交流を続ける国際児童図書評議会インド支部のメンバーと懇談し、旧交を温めた。

 後半にはインド南部の商業都市チェンナイを初訪問し、古典舞踊を鑑賞するなど予定された日程をすべてこなし、インド滞在中、随所で現地の市民らと交流した。

両陛下、チェンナイ到着 芸術学校で古典舞踊鑑賞    (2013/12/04)

カラクシェトラ芸術学院で鑑賞された古典楽器の練習の演奏者に、手を合わせてあいさつされる天皇、皇后両陛下=4日、インド・チェンナイ(代表撮影・共同)

 【チェンナイ共同】インドを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は4日午後(日本時間同日夕)、ニューデリーから政府専用機で南部のチェンナイに移動された。ニューデリーで専用機に乗り込む際、両陛下はタラップの最上段でインド流に両手を合わせ、見送りの人たちに別れのあいさつをした。

 この日夕(日本時間同日夜)からは、古典舞踊や古典楽器を教えるカラクシェトラ芸術学院を視察。「独立の父」マハトマ・ガンジーの孫に当たるゴパルクリシュナ・ガンジー理事長に案内されながら、琵琶のような形をした古典弦楽器の練習風景などを見て回った。講堂でインドの古典「ラーマヤナ」を題材にした古典舞踊も鑑賞、演じた学生たちに拍手を送った。

 チェンナイはかつてマドラスと呼ばれていた商業都市。両陛下は53年前の公式訪問でインド四大都市のうちニューデリー、コルカタ、ムンバイを巡ったが、チェンナイは訪れていなかった。

53年前思い出の場所再訪 皇后さま念願の面会も    (2013/12/03)

インド国際センターを訪問され、53年前の公式訪問の写真を見る天皇、皇后両陛下=3日、インド・ニューデリー(共同)

 【ニューデリー共同】インドに滞在中の天皇、皇后両陛下は3日午前(日本時間同日午後)、ニューデリーにある国際的な文化交流施設「インド国際センター」を訪問された。両陛下にとっては、53年前の公式訪問で定礎式に参列した思い出の場所。定礎式の日付と陛下の名前が英語で刻まれた礎石を懐かしそうな表情で見詰めた。

 引き続き皇后さまはセンター内で、国際児童図書評議会(IBBY)インド支部のマノラマ・ジャファ事務局長ら関係者18人と懇談した。

 児童文学に造詣が深い皇后さまはジャファさんの誘いで、1998年9月にニューデリーを訪れIBBY世界大会で基調講演をする計画が進められた。しかし同年5月のインド核実験で中止になり、ビデオ放映による講演となった。講演は少女時代の読書の思い出を語る内容で、後に「橋をかける」と題して出版されたという経緯がある。

 皇后さまとジャファさんはその後も交流を重ねてきたが、大会から15年たってインドでの面会を果たしたことになる。

 皇后さまはサリー姿のジャファさんから支部のメンバーを紹介され、一人一人に「会えてうれしい」などと英語で話し掛けた。会場には「橋をかける」の英語版や日本の支援で作られたインドの識字絵本も置かれた。

 ジャファさんは懇談後、「皇后さまとは5回目の面会。15年前にビデオで講演していただいたときは本当にうれしかった」と振り返った。

 午後には両陛下は日本人学校を視察。小学6年の児童による和太鼓演奏に盛んに拍手を送った。

両陛下、晩さん会に出席  「平和主義に強い印象」    (2013/12/02)

会見前に、インドのムカジー大統領と握手をされる天皇陛下=2日午後、ニューデリーの大統領官邸(代表撮影・共同)

 【ニューデリー共同】インドを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は2日夜(日本時間2日深夜=3日未明)、ニューデリーの大統領官邸で開かれたムカジー大統領主催の晩さん会に出席された。

 天皇陛下はあいさつの中で、53年前の訪問の際、独立当時からの指導者たちと交流したことを挙げ「ガンジーの思想の流れをくむ平和主義を理想とする国づくりへの高い志に触れたことは、今日もなお私どもの中に強い印象として刻まれています」と振り返った。

 陛下はさらに、仏教伝来以来の両国の交流に触れ、奈良の大仏の開眼供養でインドの僧が導師を務め、使われた筆は「今なお正倉院の宝物の中に伝えられています」と紹介。インド議会が毎年8月、日本の原爆犠牲者に追悼の意を示していることに「国を代表し、とりわけ犠牲者の遺族の心をくみ、心から感謝の意を表します」と述べた。

 天皇陛下はスーツ、皇后さまは着物で臨み、出席者約90人がジュースで乾杯。カレーやナンなどのインド料理を楽しみながら歓談した。

 晩さん会に先立ち両陛下と大統領の会見もあり、陛下は東日本大震災でのインドの援助隊派遣に謝意を伝えた。

「随分大きくなったね」 53年前植樹の菩提樹見上げ    (2013/12/01)

53年前に植樹された菩提樹の前で歓談される天皇、皇后両陛下=1日、ニューデリーの駐インド大使公邸(共同)

 【ニューデリー共同】インドを公式訪問中の天皇陛下は1日夕(日本時間同日夜)、皇后さまとともにニューデリーの駐インド大使公邸を訪れ、53年前に自らが公邸の庭に植樹した菩提(ぼだい)樹と“再会”された。

 菩提樹は高さ約15メートルの大木に成長。宮内庁によると、陛下は木を見上げながら「随分大きくなったんですね」。植樹したのが1960年12月1日だと聞くと「今日がその日ですか。ちょうど53年前ですね」と感慨深げに話したという。

両陛下、庭園散策し市民と交流    (2013/12/01)

ニューデリーのロディー庭園で大勢の出迎えを受けられる天皇、皇后両陛下=1日(共同)

 【ニューデリー共同】インドを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は1日午前(日本時間同日午後)、ニューデリーのロディー庭園を散策された。庭園には15、16世紀に北インドを支配したイスラム系のロディー朝などの霊廟(れいびょう)がある。

 歓迎の市民や在留邦人計約280人が出迎え、両陛下は地元の幼稚園児の女児から花束を受け取ったり、立ち並んだ人々に声を掛けたりしながら歩いた。

 皇后さまは女子中学生に英語で「53年ぶりの訪問で、私たちにとってはセンチメンタルジャーニーなの」と話した。天皇陛下から声を掛けられた男子中学生が「日本の自動車会社がなければインドの自動車の発展はなかった」と話すと、陛下は「スズキ自動車ですか」と応じていた。

 ニューデリーの公園で出迎えたという男性は「当時、インド国旗と日の丸を持って歓迎した。きょう再び会えてうれしい」と笑顔で話した。

両陛下、インド到着 シン首相が出迎え     (2013/11/30)

インド・ニューデリーに到着し、出迎えのシン首相と握手される天皇陛下=30日(代表撮影・共同)

 【ニューデリー共同】インド公式訪問に向け政府専用機で羽田を出発した天皇、皇后両陛下は30日夕(日本時間同日夜)、ニューデリーのパラム空軍基地に到着された。

 両陛下は約9時間のフライトにも疲れた表情を見せず、笑顔でタラップを下りて出迎えたシン首相と握手。少し言葉を交わした後、車で宿泊先のホテルに向かった。外務省によると、インドでは外国賓客を首相が出迎えるのは異例で、最大級の歓迎の表れという。

 滞在中、国賓として大統領官邸でムカジー大統領による歓迎式典や、大統領ら主催の晩さん会が催される。皇后さまは、交流を続けている国際児童図書評議会インド支部のマノラマ・ジャファ事務局長らと懇談する予定もある。4日からは南部のチェンナイも訪れ、5日夜に帰国の途に就く。

両陛下がインドへ出発 53年ぶりに公式訪問     (2013/11/30)

53年ぶりのインド公式訪問に向け出発される天皇、皇后両陛下=30日午前、羽田空港

 天皇、皇后両陛下は30日午前、政府専用機でインド公式訪問に向けて羽田空港を出発された。昨年、インドとの国交樹立60周年を迎えたことを記念し、インド側が招待した。両陛下の同国公式訪問は皇太子夫妻時代の1960年以来、53年ぶり。歴代天皇の同国訪問は初めて。12月6日に帰国する。

 空港では皇太子、秋篠宮両ご夫妻や安倍晋三首相らが見送った。天皇陛下は出発に先立ち「このたびの訪問が国交樹立60周年を迎えた両国の相互理解と友好関係の増進に資するよう願っています」とあいさつした。

 30日夕(日本時間同夜)にニューデリーに到着。12月2日から国賓としての公式行事が始まり、大統領官邸でムカジー大統領が出迎える歓迎式典や、大統領らが主催する晩さん会が催される。「インド独立の父」マハトマ・ガンジーが火葬されたラージ・ガートで供花、ネール大で日本語学科の学生たちとも交流する。

 3日には53年前の訪問の際、定礎式に参列したインド国際センターを再訪。皇后さまは、交流を続けている国際児童図書評議会(IBBY)インド支部のマノラマ・ジャファ事務局長らと懇談する。4日に空路で南部のチェンナイに移動。滞在中、古典舞踊の学校や障害者協会を視察し、5日夜、帰国の途に就く。

 60年は昭和天皇の名代としてイラン、エチオピア、ネパールも歴訪。皇后さまは98年9月に、ニューデリーでのIBBY世界大会に出席して基調講演をする計画が進んでいたが、同国の核実験実施で取りやめとなった。

皇太子さまが臨時代行へ  20回目、両陛下訪印で    (2013/11/22)

 天皇、皇后両陛下がインドを公式訪問される11月30日から12月6日まで、皇太子さまが国事行為を臨時代行することが22日の閣議で決まった。

 29日に天皇陛下が皇太子さまに勅書を渡す予定。期間中、法律や条約が閣議決定された場合の関連書類への署名などに当たる。

 皇太子さまの臨時代行は20回目。最近では両陛下が英国を訪問した昨年5月の5日間のほか、天皇陛下が心臓バイパス手術を受けた同年2月から4月に約2カ月間務めた。

両陛下が昭和天皇陵参拝 インド公式訪問を前に     (2013/11/20)

武蔵陵墓地を訪れ、昭和天皇の武蔵野陵を参拝された天皇陛下=20日午前、東京都八王子市

 天皇、皇后両陛下は20日午前、30日からのインド公式訪問を前に、東京都八王子市の武蔵陵墓地を訪れ、昭和天皇の武蔵野陵(むさしののみささぎ)と香淳皇后の武蔵野東陵(むさしののひがしのみささぎ)を参拝された。宮内庁が14日に陵や葬送の在り方の検討結果を発表してから、武蔵陵墓地を訪れるのは初めて。

 モーニング姿の天皇陛下は武蔵野陵、武蔵野東陵の順に、それぞれの墳丘の前で玉串を手に深く一礼した。ロングドレスの皇后さまも後に続いた。

 天皇や皇族は、外国訪問前に武蔵野陵や皇居内の宮中三殿を参拝することが慣例になっている。

 インド訪問は30日から1週間の予定。ニューデリーとチェンナイの2都市を訪れ、大統領主催の公式歓迎行事などに出席する。

児童書団体関係者と懇談へ 皇后さま、来月の訪印中    (2013/11/07)

 宮内庁は6日、30日から1週間の日程で予定されている天皇、皇后両陛下のインド公式訪問中、皇后さまが国際児童図書評議会(IBBY)インド支部の関係者と懇談されると発表した。

 皇后さまは絵本の創作や詩の英訳などを通じ、世界の児童文学関係者と交流が深く、1998年9月にニューデリーで開かれたIBBY世界大会に出席し、基調講演をする予定だった。しかしインドが核実験を実施したことなどから訪問を取りやめ、ビデオ映像による講演になった経緯がある。

 少女時代の読書との出合いをテーマにした講演内容はその後、「橋をかける」という本にまとめられて反響を呼び、小学6年「道徳」の副読本にも収録された。

 宮内庁によると、両陛下が12月3日、ニューデリーのインド国際センターを訪れる際、皇后さま単独でIBBYインド支部の創設者、マノラマ・ジャファさんら複数の幹部と懇談する予定。

 このほか滞在中、両陛下でニューデリーの日本人学校を視察したり、チェンナイの児童公園で市民と交流したりすることなども決まった。

訪問断念の地で再会へ 皇后さま講演依頼の文学者    (2013/11/07)

1998年にニューデリーで開かれた国際児童図書評議会の世界大会で放映された皇后さまの基調講演のビデオ画像

 今月末からの天皇、皇后両陛下のインド訪問では、皇后さまが国際児童図書評議会(IBBY)インド支部の創設者のマノラマ・ジャファさんらと会う日程が組まれた。児童文学者のジャファさんは皇后さまが1998年、ニューデリーのIBBY世界大会でビデオによる基調講演「子供時代の読書の思い出」をされるきっかけをつくった人物。

 講演は当初、皇后さま自身がニューデリーに赴いて行う予定だったが、直前のインドの核実験などを背景に取りやめとなり、ビデオに収録された。

 ジャファさんは2004年に来日した際などに皇后さまと会っているが、今回、当時迎えられなかったインドで再会することになる。「お会いするのを心待ちにしている。機関誌の皇后さまの特別号をお渡ししたい」と話している。

 講演は、少女時代の読書体験を通じて本のすばらしさを述べた内容で、日本でもテレビ放映された。「橋をかける」と題して出版され、宮内庁によると8カ国語に翻訳されている。

 ジャファさんは世界大会開催に当たり、国際アンデルセン賞を受賞したまど・みちおさんの詩を翻訳した皇后さまに基調講演してもらえるよう熱心に要請。皇后さまもこれを受けて準備を進めた。ビデオ講演では、インド支部やIBBYの人たちが困難な国際情勢の中で大会を開催したことをねぎらった。

53年ぶり施設再訪も 両陛下の訪印日程閣議報告    (2013/10/29)

 天皇、皇后両陛下のインド公式訪問の日程が11月30日から12月6日までの1週間になることが29日の閣議で報告された。大統領官邸での歓迎行事や晩さん会に出席するほか、53年前に訪れた学術の国際交流施設の再訪も予定されている。首席随員は森喜朗元首相が務める。

 宮内庁によると、両陛下は30日にデリーに向け出発。現地到着後、時差調整などを経て12月2日、公式歓迎行事に臨み、「インド独立の父」と呼ばれるマハトマ・ガンジーが火葬されたラージガートで供花する。ネルー大で学生たちと交流し、夜にはムカジー大統領夫妻主催の晩さん会に出席してあいさつを読み上げる。

 3日は1960年に昭和天皇の名代として訪問した際、定礎式に参列したインド国際センターを再び訪れる。4日に空路でチェンナイに移動し、古典舞踊の学校「カラクシェトラ芸術学院」を視察。さらにタミルナド州の知事夫妻と会食したり、障害者協会を訪れたりして、5日夜に同地を出発、6日に帰国する。
 日印両国は昨年、国交樹立60周年を迎え、インド政府が両陛下を招待した。即位後のインド訪問は初めて。

両陛下のインド訪問写真展                      (2013/10/05)

1960年にインドを公式訪問された皇太子時代の天皇、皇后両陛下(共同)

 天皇、皇后両陛下が53年前にインドを公式訪問された際の写真約90点を集めた写真展「両陛下・のインド」が8日から13日まで、東京都中央区の銀座三越で開かれた。

 両陛下は皇太子夫妻当時の1960年、昭和天皇の名代でインドを公式訪問。約半世紀ぶりに、今年11月30日から約1週間の日程で同国を再訪することが決まっている。写真展は、これを前に両国の友好関係を発展させようと、インド大使館などが開催した。

 会場ではニューデリーで行われたオープンカーによる歓迎パレードや、大統領主催の園遊会、農村を訪れて村人の歓迎を受ける様子などを記録した写真が展示された。

 写真展はニューデリーの博物館でも11月に開かれる。

11月30日から1週間に  両陛下訪印日程を閣議決定    (2013/07/09)

 天皇、皇后両陛下のインド公式訪問の日程が11月30日から約1週間となることが9日、閣議決定された。日印両国は昨年、国交樹立60周年を迎え、インド政府が招待していた。天皇陛下のインド訪問は即位後初めて。

 暫定案では30日に東京をたち、北部のデリー首都圏に到着。12月4日に南部の大都市チェンナイに移り、5日に同地を出発して6日に帰国する。国賓として迎えられる予定で、デリーでは晩さん会などの歓迎行事や大統領との会見が催される見込み。

 チェンナイは皇太子時代も含めて初訪問となる。詳細な日程は、今後両国間で協議して決める。

 日本からインドまでの飛行時間は約8時間。12月のデリーは比較的過ごしやすい気温だが、天皇陛下が今年80歳を迎え、皇后さまも腰痛などを抱えることから、宮内庁は過度の負担にならないよう日程を調整する方針。