トピックス

インドで健康器具市場開拓 生活習慣病大国に挑む    (2016/8/3)

インド・グルガオンで、オムロンヘルスケアの現地法人が開いた無料測定会に参加して血糖値を測る男性(右)=6月(共同)

 【グルガオン共同】人口約13億人を擁するインドで高血圧や糖尿病などの生活習慣病が急増する中、日本のメーカーが健康器具の市場を開拓しようと奮闘している。経済成長で拡大する中間層や富裕層の健康意識を高め、需要を掘り起こしたい考えだ。

 暑さが和らいだ6月のある夕刻、首都ニューデリー近郊の北部グルガオンにある薬局の店先に中高年の男性らが集まった。健康器具大手オムロンヘルスケア(京都府向日市)の現地法人が電子血圧計や血糖計などを実際に体験してもらおうと開いた無料測定会だ。

 生活習慣病の予防意識が低いインドの消費者に関心を持ってもらうのが狙い。参加した近くに住む50代男性は「思ったより体重も多いし、数値が悪い。健康に気を付けないと」と話した。

 薬局の店主によると、売れ筋は1500ルピー(約2300円)の血圧計で、測定会でそのまま買っていく人も多い。測定会は全国で年間約2千回実施。製品を取り扱う薬局は2万店を超えた。

 国際糖尿病連合によると、インドの糖尿病患者は約7千万人に上る。都市部を中心に中間層や富裕層の肥満が急増。インド料理で使われる油の多さや、伝統的に午後10時ごろ夕食を取る食習慣、屋外での運動を妨げるほどの過酷な気候も影響している。

 米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーは、生活習慣病など非感染性疾患によるインドの経済的損失が2030年までに6兆ドル(約627兆円)に上ると試算。モディ政権も国民の健康向上を政策課題の一つとしており、オムロンの取り組みにも高い関心を示している。

 オムロンの主要顧客層は中間層で、市場シェアは約55%。最近は中国勢との競争が激化しており、今後は金銭的に余裕が少ない層に浸透できるかも鍵となる。現地法人のオムロンヘルスケア・インディアの増田央郎社長は「ビジネスを通じ、インドに病気の予防意識を広げたい」と強調した。

ヨガの日に3万人ポーズ モディ首相も    (2016/6/22)

21日、インド北部チャンディガルでヨガを披露するモディ首相(中央)(インド政府提供・共同)

  【ニューデリー共同】国連が定めた「国際ヨガの日」の21日、インド北部チャンディガルで約3万人が参加する大規模なヨガのイベントが開かれ、モディ首相が列の先頭でポーズを取った。ヨガの日は、インド伝統文化の普及に熱心なモディ氏の呼び掛けを契機に制定され、今年が2回目。

 チャンディガルでは集まった政府関係者や子どもらが体を曲げたり、寝そべったりしてヨガの魅力をアピール。モディ氏は「ヨガは無料で健康を促進できる。貧富の区別もない」と演説した。

 ヨガの日に先立ち、日本や中国、英国など世界各地でヨガのイベントが開催された

開発で消える古墳、記録に インドで日本人奮闘    (2016/5/11)

 【ナグプール共同】経済成長が進むインドで、開発によって取り壊されつつある南インド先住民ドラビダ人の古墳を記録しようと、日本人の考古学者が奮闘している。関西大非常勤講師の上杉彰紀さん(44)。インドと東南アジア、日本をつなぐ、謎が多い交易路「海のシルクロード」の解明につながる可能性もあるという。

 西部マハラシュトラ州ナグプール郊外ライプル・ヒングナ遺跡。大小の石を積み上げた直径約20メートル、高さ数十センチの円形古墳の真ん中を道路が貫いていた。「紀元前500〜千年ごろの高貴な人の墓だろう」。ドラビダ人が築いた「巨石文化」の一部とみられ、数キロ四方に同様の古墳が約260カ所点在するという。

インドのマハラシュトラ州ナグプール郊外のライプル・ヒングナ遺跡を調べる上杉彰紀さん=3月(共同)

 衛星利用測位システム(GPS)を利用して消える前の遺跡の位置や形を確認。将来的には小型無人機「ドローン」で空撮する計画だ。地図に落とし込み、大学や研究機関に活用してもらいたいと考えている。

 上杉さんによると、ライプル・ヒングナ遺跡は19世紀後半に英国人が発見。1992年にインドが一部を調査したが、十分に保存せず放置した。インドでは文化財保護への関心が低く、人口増による道路や宅地造成が加速し、急速に遺跡が破壊されている。

 上杉さんは90年代からインド北部の仏教遺跡やインダス文明遺跡を調査。数年前、対象を南インドに広げた。多数の古墳が分布する南インド一帯は、弥生時代などの日本の遺跡から見つかるガラス製小玉の産地の可能性があるが、インド側の研究が少ないという。

 遺跡の存在を知りながら、あえて工事を急ぐ地元業者もいる。上杉さんは「開発を止める手だてはない。古墳は数年後に消滅しているかもしれず、今動かないと」と危機感を強めている。

インドの風 (8)

【インドで凍死?】

 インドは暑い国というのが、私たちの一致した常識でしょう。私が住んでいる首都ニューデリーでは、夏(4〜5月)は気温が45、6度にもなります。外に出たとたんに熱風が襲いかかり、直射日光の下では5分も歩けないほどです。熱中症対策の水は欠かせません。湿度が低いのがせめてもの救いですが、まさに灼熱(しゃくねつ)の大地です。ところが、冬(1〜2月)になると気温は3、4度まで下がります。デリーで今年1月には100人以上が凍死しています。ええっ!? と最初は耳を疑いましたが、有力全国新聞 Times of Indiaの報道ですので間違いではないでしょう。ニューデリーなど首都圏では路上生活者が多く、十分な着る物やシェルターもないので、体力のない子どもや老人が凍死するのです。

 私自身もニューデリーの冬を2回経験して寒さが身にしみ、今度は3回目の冬を迎えようとしています。冬は暖房器具を使っても十分暖かくならないため、家の中でもオーバーを着込んでいるとインド人が言っていたのは、冗談ではなく、まったく本当の話でした。

ニューデリーの冬の朝、チャイで寒さをしのぐ労働者たち

 しかし、インドは日本の国土の9倍もある大きな国です。インド最北のヒマラヤに近い山岳地帯では、冬は零下になり雪も多く降ります。一方、チェンマイやバンガロールなど南インドに行けば、冬でも結構暖かいのです。北インドに位置するニューデリーの夏は「灼熱のインド」そのものですが、冬は「厳寒のインド」です。インド人の肌の黒さから、インドは暑い国という間違ったイメージが日本人に定着しているかもしれません。

 冬に北インドへ旅行や出張をされる方は、セーターやジャンパーをお忘れなく。
 (出雲市出身、周藤孝夫)

 

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