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山陰中央新報発行の島根・鳥取の住宅情報紙HOMe No.11

古民家に学ぶ

古民家の魅力伝える「縁(えにし)の宿 北堀」

 民家や空き家を活用した活動が全国的に始まっている。島根県でも数多くの古民家や空き家の存在が確認され、ギャラリーや店舗、民宿などの活用例も紹介され始めた。

古民家に学ぶ(1)

これまでに例のない宿
 松江市北堀町は松江市の観光の中心地。武家屋敷や小泉八雲記念館、田部美術館は観光客が必ずと言ってよいほど訪れる場所。その中に15年も空き家になっていた家があった。

 古民家と呼ぶには少し若いが、1985年建築の民家は、雨戸が閉められたまま長い間使用されずに佇(たたず)んでいた。

 これまでにさまざまな話が持ち主のところに寄せられたが、いまひとつ貸す気にはならなかった。しかしNPO法人「森の一滴」の理事長、河角守男氏の熱い思いに、ついに許しが出たという。

 河角氏の提案は家を1軒丸ごと1組に貸す宿、「縁(えにし)の宿北堀」。観光だけでなく、島根にU・Iターンを希望する人のためのお試しの宿、展示会、茶会などの使い方を想定して計画した。

 昨年5月にオープン以来、意外にも地元の方の利用が多いという。転勤で松江に来た人が、松江のよさをぜひ両親に味わってもらうために最適な宿だと利用が広まっている。NPOでは想定外の利用の仕方に驚いている。

 両親と子どもが自宅感覚で利用できるところも魅力。食事は自炊なので近所で買い物をし、家族で食事を作る楽しさや散歩など旅館では味わえない良さがある。

古民家に学ぶ(2)

ターゲットを見据えた活用
 昨年ごろから始まった「団塊の世代」の退職により、松江市にも数多くのシニア観光客の姿が見られるようになった。「朝寝坊ができる。外食も自由だし、何よりもお風呂が気に入った」と笑顔で答えてくれたシニア利用客の笑顔が印象的だった。

(日本古民家研究会代表理事長・成相脩)

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