住宅情報紙HOME

エコ・塗り壁・健康住宅造りHOMe No.13住宅情報紙HOMeホーム

山陰中央新報発行の島根・鳥取の住宅情報紙HOMe No.13

エコ・塗り壁・健康住宅造り

防火、耐火に優れた塗り壁 / 健康住宅造りに職人技

 日本の伝統的な木造家屋に古くから取り入れられてきた土壁。防火や耐火、調湿作用など塗り壁の優れた特性が、高温多湿な日本の気候に適していることから塗り壁が発達、左官の技術向上も進みました。

 最近は天然素材を活用するという環境面や省エネの面も注目され、室内の環境汚染とは無縁の健康住宅造りに欠かせない壁工法とそれを支える左官の職人技が見直されています。

 主な工法について、松江左官同業組合の藤原陽吉組合長に聞きました。

シラス壁

エコ・塗り壁・健康住宅造り(1)
和室/シラス刷毛引き仕上げ

 自然素材を使った環境、健康志向に合った住宅向けに、最近注目を浴びている未来型の壁工法。南九州一帯に堆積(たいせき)している火山灰のシラスを主原料にした100%天然素材の壁材だ。シラスは珪(けい)藻土と同じ珪酸が主成分。しっとりと柔らかさも感じさせるシラス壁は、吸湿性や吸臭性が高く、保温や断熱性にも優れ、空気の清浄力を兼ね備える。特に多孔質性の素材から優れた消臭性能が指摘されるほか、ホルムアルデヒドの吸着性能の高さも挙げられる。一方で、粒子の細かい土を材料にするシラス壁の施工には、左官職人の高い技能が求められる。

珪藻土壁

エコ・塗り壁・健康住宅造り(2)
洗面壁/珪藻土

 90年代初めに登場した珪藻土は、当時健康被害で話題を集めたシックハウス対策として、一躍脚光を集めた。珪藻と呼ばれる植物プランクトンが太古から長年積み重なって、石灰化してできた土。珪酸が大きな成分。多孔質で吸水性、吸着性に優れ、ホルムアルデヒドなどを吸着してシックハウス症候群を抑えるほか、吸放湿性があることで結露を抑え、ダニやカビを発生させないといった多くの利点があるといわれる。これまでの土壁に比べると、施工も簡単で本物の素材感と健康効果が人気を集め、伝統的な左官壁の技術が見直されるきっかけにもなった。

漆喰塗り

エコ・塗り壁・健康住宅造り(3)
上)台所/漆喰模様入り仕上げ
中)焼石膏張り手作り
下左)こておっかけ塗り仕上げ
下右)ダイニング壁/漆喰模様入り荒波仕上げ

 天然素材を生かし、古くから用いられてきた伝統的な工法。白色で美観の面や防火や防水性、調湿機能に優れ、四季のある日本の気候に適していると言われ、日本でも城郭の白壁や一般の土蔵、家屋の壁の上塗り材としても使用されてきた。最近は、美しい景観を生み出す土蔵のなまこ壁や、鏝(こて)絵などで漆喰(しっくい)の伝統技術への評価は高まっている。消石灰か貝灰を海草のツノマタを沸騰させた糊(のり)を接着剤にして、繊維質のスサを加えて練ったものを上塗りして仕上げる。重ね塗りが必要で、工期は長くなる。

ジョリパット

 フランスで生まれた塗り壁材。粘りがある特性を生かしてさまざまな模様や、水で薄めて吹き付け仕上げもできるなど内、外装に施工が可能。色あせしにくく、色合いや質感を長時間保持する耐久性が特長。塗り替えの回数が少なくてすみ、メンテナンスに費用がかからない。防藻性・防カビ性が高く傷も付きにくい。洋風、和風を問わずどんなタイプの建物にもマッチする。色のバリエーションも豊富で、新しい素材で多様な肌合いを演出する。

ページの先頭