住宅情報紙HOME

古民家に学ぶHOMe No.13住宅情報紙HOMeホーム

山陰中央新報発行の島根・鳥取の住宅情報紙HOMe No.13

古民家に学ぶ

フランスに渡った古民家と匠

  • 拡大古民家に学ぶ(1)
  • 拡大古民家に学ぶ(2)
  • 拡大古民家に学ぶ(3)
  • 拡大古民家に学ぶ(4)
  • 拡大古民家に学ぶ(5)

 島根の匠(たくみ)四人が昨年十一月十四日、パリ~ポアチェを経由してワインで有名なボルドーの近くボアビュシェに到着した。

 日本から十五時間という長旅を終え、到着したのは、CIRECA(シレサ)の代表を務めるアレキサンダー・フォン・ヘゲサック氏の所有する330ヘクタールという広大な敷地。

 十四世紀に建てられたという古城、そしてその関連施設が点在する建設予定地。同時に浜田港から送られた古民家も到着した。

到着時からのアクシデント
 島根の匠が渡欧するまでには、数々の打ち合わせが行われた。到着から帰国まで一カ月しかない計画なので、緻密(ちみつ)な打ち合わせが必要だった。

 古民家の材料の荷降ろしから保管、そしてもっとも重要な、古民家を建設するための基礎工事。数多くの図面を送り、メールでのやり取りを行い、匠たちの到着と同時に工事が開始できるようにと。しかし、そこで匠たちが見たものは…。

 地面にコンクリートを敷いただけの基礎。日本では捨てコンクリートと呼ばれる状態で、この上に立ち上がりの基礎をつくらないと建築できないのだ。唖然(あぜん)とばかりしていられない匠たち。

 翌日からは予定変更で基礎工事に取り掛かった。「何としても完成させる!」。この思いでチームが一丸となった。基礎工事で貴重な一週間が過ぎた。

残された時間との戦い
 残された時間は三週間。当初は古民家を解体した大田市のチームが行く予定だったが、都合が悪くなった。急きょ招集したチームは、建物が建っている状態も見たことがなかった。しかも、組み立て時に必要な番付け図も無い中での作業は困難を極めた。

 残り三週間。

 フランス建築チームの協力もあり、さらに、数日にも及ぶ徹夜作業の末、帰国当日の12月14日ついに完成を見ることができた。

 「完成した古民家も美しいが、私はもっと美しいものを得ることができました」。 現場監督の阪本修覚氏の言葉が今回のプロジェクトを美しくまとめた。

ページの先頭