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ファイナンシャルプランナー直伝!住宅資金プランの王道

 皆さんもお気付きのように住宅資金は、生活・教育・老後・保険・年金の各資金と密接に結びついています。住宅の資金計画を作る際には各資金を一緒に検討しないと問題の解決はできません。そのため既に家を建てて数年経った方からの相談も多数寄せられています。将来困らないために、ファイナンシャル・プランナーから見た住宅資金計画の王道をご紹介しましょう。

食事で例えるなら、まずは「メーンディッシュ」から

住宅資金計画のメーンは、住宅ローンを勉強することでも、また難しい税制を理解することでもありません。もっと身近なところにヒントがあります。それは、自分の家計を理解することです。生涯の資金繰りを確認し、その中で自分の家庭の問題点を見つけることから始めます。それでは実際の相談事例をもとに解説しましょう。

相談事例
4人家族=夫(30代前半、会社員、手取り465万円)、妻(30代前半、専業主婦)、子ども(3才、0才)、妻は下の子が中学入学時よりパートを予定。子どもは2人とも大学まで行かせたい。当初住宅予算は2500万円を予定。その他家族旅行に3回は行きたい。

この家計のままで家を建てたらどうなるの?

この夫婦が家を建てたと想定し、60歳になるまでの資金繰り図A(改善前)を見てみましょう。
まず「30代での継続的な赤字」、「子どもが大学在学時の教育資金負担」、「車購入の度に赤字」など問題点は一目瞭然ですね。
これらは、人生において発生する代表的な支出です。このまま支出の改善が無ければ、貯蓄は45歳前後で底をついてしまいます。実はこの事例は稀なケースではありません。私が相談を受ける実に8割以上の家庭で起こっていることなのです。
それでは、これらの解決策として次の項目を見直してみましょう。

  • 使途不明金と生活費の見直し
  • 生命保険の入れ換え
  • 教育保険・財形教育融資・教育ローンの計画
  • 車購入費の減額

※注意 見直す項目は各家庭の状況で異なります。

以上の項目について家計の改善を行います。すると図B(改善後)の通り、赤字だった貯蓄が見事に解消されました。

改善前と改善後

ここがポイント

おまけに当初2500万円だった住宅予算は、3300万円に増えて余裕ができます。
当初予算の2500万円は何の根拠もありませんが、改善後の予算3300万円は算出根拠が明確です。逆に言うと3300万円までは安心して支出することができます。建築業者との価格交渉も自信が持てますね。
事前に綿密な資金計画を作ることで、家族の希望を叶える現実的な住宅デザインをすることができます。また、住宅ローンの返済が始まっても、将来に不安を抱えず生活できます。これが重要な住宅資金計画の「メーンディッシュ」となるのです。

デザートがあると満足

メーンディッシュが終わると次は「デザート」。最近は国の経済対策として、税制・金利の面で優遇してくれる「おいしい」施策が用意されています。ただ、これらの施策をいくら突き詰めても資金計画にはなりませんが、利用できれば少し助かる内容です。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

住宅ローン減税は過去最高水準

住宅ローンで控除される額=年末の住宅ローン残高×控除率

居住開始年 控除対象借入限度額 控除期間 控除率 最大控除額
平成22年 5,000万円 10年間 1.0% 500万円
平成22年 4,000万円 400万円
平成22年 3,000万円 300万円
平成22年 2,000万円 200万円

※上記は一般住宅の場合
※控除額が所得税額を超える場合は、一定額を個人住民税から控除することができます。(最高9.75万円)

贈与税の非課税枠の拡充

平成22年度の税制改正で次の制度改正が行われました。住宅取得資金の贈与制度は3つあり住宅取得者にとって有利な制度となっています。

A相続時精算課税制度の
住宅取得資金贈与の特例
  • 父母(年齢制限無し)から20歳以上の子への贈与
  • 2,500万円まで無税、超えた分は一律20%
  • 住宅取得資金に限ります。
  • 非課税枠内なら何度でも利用できます。
  • 平成23年12月31日まで
B贈与税の
暦年課税制度
  • 贈与の暦年課税として申告
  • 基礎控除額110万円まで非課税
C住宅取得資金の贈与に
係わる非課税措置
  • 平成22年中の贈与は1,500万円まで非課税
  • 平成23年中の贈与は1,000万円まで非課税

上表のうち、「AとC」及び「BとC」は併用が可能です。

  • A+C→合計4000万円 (H23年は3500万円)まで非課税(贈与時)
  • B+C→合計1610万円 (H23年は1110万円)まで非課税

※相続時精算課税制度は、一度選択すると取消が出来ません。利用する場合は両親の相続財産も考慮のうえ、親とよく相談して決めてください。

住宅版エコポイントの創設

環境に配慮された新築のエコ住宅で1戸あたり30万ポイント(30万円相当)

対象
平成21年12月8日から平成22年12月31日までの間に建築着工し、かつ平成22年1月28日以降に工事が完了し引き渡されるもの。
工事内容
省エネ法のトップランナー基準相当の住宅
省エネ基準(平成11年基準)を満たす木造住宅

その他の主な施策

長期優良住宅の優遇税制・太陽光発電等の支援・フラット35S(優良住宅支援制度)の金利引下げ・住宅リフォーム助成制度など。
今年はマイホームを検討するチャンスかもしれません。

萬代 幸次 (ばんだい・こうじ)
FP組合代表理事 / ファイナンシャル・プランナー(CFP) / 一級建築士 / 1級建築施工管理技士 / 住宅ローンアドバイザー
技術・資金の両面から同時に不安を解決する独自のスタイルで注目を集めている。
連絡先 / 出雲市大塚町971-1大塚青山ビル207 TEL0853-30-6031

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