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マイホームを取り巻くお金事情

 山陰中央新報社が実施する「家づくりセミナー」はスタートから5年以上も続いています。
延べ参加者は2千名を超える息の長い講座となりました。
 実は家づくりでは、「成功」より「後悔しない」方が難しいといわれています。
悩んでいる状態から意思決定し「頼れるお父さん」になるコツが相談事例から見えてきます。  講師を務める萬代さんにお話を聞きました。


施主からの相談には、大きな3つの分野があります。


①資金不安 例えば、頭金は幾ら、住宅ローンと税制、家計・保険の見直し、贈与制度など数字で計算できる分野。


②デザイン不安 例えば、家事動線と間取り、材料、採光、通風、断熱と工法、換気システムなど図面上で解決できる分野。


③家づくり全体の不安 例えば、全体が見えない、①と②が絡んでいる問題、AかBかの決定、何を優先し何を我慢するのかなど。

残念ながら、家づくりの解説本とか住宅ローンセミナーでは、今まで①か②だけクローズアップされてきました。一方、最も深刻な相談を受けるのは③の部分であって、実は「後悔しない家づくり」で最も必要とされるサポートは③です。今まで注目されなかったのは、最も大事な分野であるという認識と対処するノウハウが無かったからでしょう。


もうひとつ知っておかなければならないのは、施主の変化です。
 現代の家づくりでは情報が山ほどあります。税制は毎年変わり、各工務店で商品性は大きく異なり、セールスポイントも違い、技術的にも日々進化しています。これらの情報収集は絶対に必要ですが、これによって施主は次のように変わってきます。

①は、情報がなく、どの技術・どの住宅ローンでも同じと思っている状態で初期の頃。
②は、少しずつコダワリが出てきた一方、自分の価値観がまだ分からない状態。
③は、情報が整理できていないか、あるいは訳が分からなくなってしまった状態。
④まで来ればゴールまではもう少しの状態です。

 ほとんどの方は③もしくは④で思考が停止しています。そして④については、誤解があります。実は、家づくりには正解が一つだけあるわけではなく、Aという答えもBという答えもあります。Aを取ればBを諦める、つまり全てを満たす答えもありません。正解が一つと決めつけていてゴールに進めないのが④の状態です。
 さらに厄介なのは施主の状況・価値観は日々どんどん変わることです。急いで建てて後から気付くと後悔する原因になるかもしれません。

 家づくりで迷ってしまうのは、自分が求めるゴールが分かっておらず、目の前の不快な事態を取り除くことがゴール(問題解決)だと思っているという状況です。(相談事例1)あるいは到達困難なゴールをいきなり目指そうとしていたり、誰にもどうにもならないことをゴールだと思い込んでいる場合も少なくありません。(相談事例2)


迷路は入口からたどっていくと出口が分からないけど、出口から逆にたどると簡単に答えが分かります。


そのためには次のことを自分に問い掛けると良いといわれています。
●一番求めていることは何?
●1年後どうなっていたい?
●それがなかったら困るか?


●情報は努めて客観的に冷静に見る
●自分で答えを出すように努める。これが遠回りのようでも結局一番近道。ただし、混乱を生じやすい人は周りに支援を求める。
●間違った情報、先入観や葛藤がどこにあるか注意深く特定。矛盾を意識できると変わる。
●それでも迷ったら中立的な専門家に意見を求める。ここで大事なことは専門家は判断や決定自体には関与しないこと。こちらが正解を知っているという姿勢の専門家は避けること。

 私は正解は施主の心の中にすでにある思い、これを明確にしていくことに重点を置いてカウンセリングを行います。そうすると判断や決定は施主自身ができるようになります。これが「頼れるお父さん」になる秘訣です。

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