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HOMe No.32住宅情報紙HOMeホーム

建てる前から始めたい「インテリアが主役の住まいづくり

 来年10月には消費税の増税が予定されています。マイホームの購入は、人生の中でも最大級の決断と出費ともいえます。そうした人たちが「今が住宅の買い時」と考えるきっかけは、「住宅ローンの金利上昇( の予感 )」、「消費税増税」、「物件価格」の3つです。今の経済状況はまさに「住宅ローン金利」と「消費税増税」が話題の中心となっています。消費税が上がるとマイホーム購入資金の負担は大幅に増えるのか…。今回は、松江市にあるFP住宅相談所の萬代幸次氏に消費税増税とマイホームへの影響について解説してもらいました。

消費税増税

 最近、特に増えた相談は「消費税が10%になる前に建てた方が良いのでは?」というもの。一度冷静になって消費増税を正しく理解してみたいと思います。
 来年( 2019年 )10月1日から消費税が10%になる予定です。もし「増税前にお得に買いたい」と考えるなら、まず気を付けたいのが引き渡しの時期。原則、消費税は契約時ではなく、物件の引き渡し時点の税率が適用されるので、引き渡しは1年以上先というケースでは注意が必要です。ただし、今回の法案では、マイホームを2019年3月31日までに契約していれば10月1日以降に物件を引き渡した場合でも旧税率8%を適用する経過措置が用意されています。
 消費税増税でマイホーム購入に影響するポイントは以下の3点です。
 ●消費税率は2019年10月1日から10%に引き上げられ、同年3月31日までに契約すると特例措置で8%が適用されます。
 ●住宅取得については、購入支援策が用意されています。
 ●贈与税の非課税措置など法制上の措置も用意されています。

注意1.土地は非課税
 消費税の課税対象となるのは「新築建物」のみで、「中古物件( 売主が個人 )」や「土地」は非課税です。購入価格3500万円の一戸建てで土地1500万円、建物2000万円の場合、建物分の2000万円のみに消費税が掛かります。税率が8%で160万円、10%なら200万円の消費税負担になります。その他、土地の造成、整地費用、不動産会社に支払う仲介手数料にも消費税が掛かります。土地の所有権を持たず、建物だけを所有する借地権契約( 定期借地権も含む )では借地権に消費税は掛かりません。

注意2.課税・非課税
 住宅ローン関連の費用について課税・非課税を整理すると以下の通りです。非課税項目については増税の影響を気にする必要はありません。

住宅ローン控除とすまい給付金

 消費税増税に関連して、マイホーム購入の重要な支援策が住宅ローン控除とすまい給付金制度です。住宅ローン控除は、毎年支払う所得税及び住民税から、住宅ローン残高の1%分を控除する制度です。10年間控除されますので計算上の最大控除額は、400万円~500万円となります。実際には、控除される額の判定は図1の①~③の3つの中から最も小さい額となり、30代の平均的年収約500万円では一般的に③所得税+住民税が最も小さいのでこれで決まります(図1)。つまりこの層は、住宅ローン控除制度の恩恵を十分に享受していないとも言えます。一方、年収800万円以上なら、最も小さい額は①住宅ローン残高×1%となる傾向があり、住宅ローン控除制度は、高所得者層にとって、より減税効果があります。住宅ローン減税はPRされている最大控除額をうのみにしないで、あくまでも自分の年収と借入額に当てはめて具体的な減税額を計算し、判断することが重要です。個別のケースについてはFP住宅相談所までお問い合わせください。

消費増税の本当の姿

 図1で分かるように年収が少ないと住宅ローン控除では「損」をしています。そこで年収の少ない人には、消費税増税で損をしないように、住まい給付金として、年収775万円以下の家庭に現金が給付されます(表1)。

 図2は具体的な事例で消費税額、住宅ローン控除額( 減税額 )とすまい給付金の合計額を計算したものです。全体に消費税8%の方がお得と言えますが、10%適用時でも負担する消費税に比べて決して「損」をしている訳ではなく、控除額は十分に消費税額を超えています。さらに年収500万円までの年収層は、前出のように所得税+住民税で控除額が決まるので、建物の減額交渉で消費税額を下げれば税制の効果を上げることができます。

消費税増税と正しい対処法

 消費税10%後に購入する人が得をする対処法を解説します。それは増税対策としてせっかく用意されている税制制度をうまく使うことです。特に共働き世帯は、夫婦それぞれが住宅ローンの債務者になれば、2人で住宅ローン控除を受けられるので消費税がアップしてもあまり影響を受けることはありません。この場合、共同債務者となる方法と、夫婦それぞれの収入に応じて2本のローンを組んで借りる方法があります。後者はあまり知られていませんが、利点はそれぞれが異なる返済期間を設定できる点です。  例えば、総額3000万円を借りる場合、夫2000万円、妻1000万円とし、たまった資金を妻の繰り上げ返済に集中すれば、妻の分は10年程度で完済が可能。その結果、子どもの大学資金が必要な頃には夫のローン返済だけになり、教育資金の負担に対応できます。妻の分を短期集中的に繰り上げ返済することで、将来の資金負担のリスク回避と支払う利息の節約ができます。住宅金融支援機構のWフラットが代表的な対応商品ですが、民間銀行の変動金利型もこの方法なら有力な選択肢になります。ただし、これはあくまでも奥さまも働き続けることが前提になるので、ある程度家族構成が定まってからの対処法となります。また、消費税とは関係なく、一定額の頭金を用意すれば、頭金無しの場合と比べて、住宅ローンの金利負担が少なくなるのは基本です。

住宅資金贈与の非課税措置

 消費税増税に関連し、住宅取得に有効な贈与税の非課税措置( 直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税「住宅取得資金の贈与税の非課税特例」 )について解説します。子や孫である受贈者が直系尊属から住宅取得資金の贈与を受け、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、家屋の新築もしくは取得、増改築等をした時は、住宅取得資金のうち一定金額について贈与税が非課税となります。
  受贈者1人についての非課税限度額は、住宅の性能と最初に贈与を受けた年度ごとに下の表のような金額になります。

万全な資金計画と冷静な視点で

 住宅ローン控除制度、ローンの金利動向や住宅資金の贈与、物件価格の動向などを見ながら購入のタイミングを検討する必要があります。トータルに考えれば、住宅は増税前で金利も低い今が「買い時」と言えるでしょう。そんな中でも消費税増税だけでなく、万全の資金計画を練った上で、不動産市況と物件を冷静に見極める本来の家づくりの視点が大切です。まだ先と考えている人、あるいは週末の見学会巡りに忙しい人も一度、FP住宅購入相談所のセミナーで住宅購入について勉強してみてはいかがでしょうか?
 FP住宅相談所では、毎週の定期セミナーとは別に、HOME読者のために特別に「消費税増税対策セミナー」を開催します。

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