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(株)陶山建設/雲南市木次町/体にやさしい住宅が転機に
「健康、省エネ住宅を求める人はますます増えるだろう」。生き残り競争が厳しい個人住宅業界。(株)陶山建設(雲南市木次町)の陶山義久社長は、免疫加工建材や地熱利用の換気システムを住宅建築に取り入れたのは「時代のすう勢」と言う。大手、地元の中小業者が混在する中で他社住宅との違いを明確化し、顧客満足度のアップを追い求める。
一九六一年に創業し、八六年に有限会社、二〇〇〇年には株式会社へそれぞれ移行。土木工事を主力事業に、地元自治体の上下水道整備で実績を積んできたが、「地財ショック」の衝撃が走った〇四年以降、一気に公共事業が減少。同業者の協力を得ながらわずかに手がけてきた個人住宅分野ならこれまでのノウハウも生かせる、と社の主力部門を大胆に変更した。
個人住宅は新規住宅着工件数が伸び悩み、営業活動で得られた情報だけではなかなか受注に結びつかない時期が続いた。そんな時、陶山社長をひきつけたのは、東京都内で開かれた業者向け展示会で見た「体にやさしい」住宅の建築だった。
この一環で、〇七年には特殊加工木材を製造する(株)ウッドサークル(福岡県大川市、江頭修作社長)と代理店契約し、ホコリや化学薬品が原因と言われるシックハウス症候群を予防する免疫加工木材を住宅建築に導入。島根県内で調達した木材を福岡県で加工することで、県内材木店との関係を深めることもできた。
さらに、〇九年からは、県外企業の開発した地熱利用の換気システムを導入し、施工する住宅に標準装備した。自然風を床下から引き入れ、室内温度や湿度を高めたり、低くしたりするため、ホコリを抑えるだけでなく、省エネにもつながる。陶山社長は「これから住宅を建てようと思う人の健康、省エネに対する関心はとても高い」と今後の展開に自信をのぞかせる。
ただ、住宅の良さを広くPRしなければ意味がない。雲南のエリアを飛び出し、出雲市などでも家電やシステムキッチンメーカーとタイアップした展示会を開催。料理教室や焼きたてのパンをプレゼントするなどイメージPRにも趣向を凝らす。
また、将来の住まいを検討し始める子育て世代との結びつきを強めるため、工事の廃材を利用した工作体験や育成したカブトムシのつかみ捕り、芋掘りを盛り込んだ「むろやま子供塾」も主催。先行投資の意味合いも強いが「地域の一員として、社会貢献がしたかった」と、もう一方の意義を強調する。
陶山社長は「良いものを取り入れ、オリジナリティーがある高付加価値の住宅を提供していくことが企業としての務め。地域とともに歩む姿勢を今後も大切にしていきたい」と静かに決意を語る。
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