山陰中央新報 - 第4部「積み残された課題」−現代から未来へ−(2)三国通覧輿地路程全図

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 発信竹島 〜真の日韓親善に向けて〜 :  第4部「積み残された課題」−現代から未来へ−(2)三国通覧輿地路程全図
 誤解招く「朝鮮ノ持也」 下條正男・拓殖大教授に聞く
 竹島(韓国名・独島)の領有権問題が浮上するたび、韓国が自国領と主張する論拠として持ち出す地図がある。林子平が一七八五年に作製した「三国通覧輿地路程全図」。日本海に「竹嶋」と称する島が描かれ、「朝鮮ノ持也」と付記されている。そこにある竹嶋とは、現在の竹島なのか。

 −韓国は三国通覧輿地路程全図を盾に、林子平も現在の竹島を韓国領と認めていたと強調する。
 「注意深く見れば、『竹嶋』を現在の竹島と読み違えることはない。図の竹嶋には『朝鮮ノ持也』という付記以外に、『此島ヨリ隠州ヲ望、又朝鮮ヲモ見ル』との記述がある。これは齋藤豊仙の『隠州視聴合記』の『国代記』にある、『高麗を見ること雲州より隠州を望むが如し』という記述が基になっている」

 「とすれば、竹嶋が現在の竹島であるはずがない。齋藤豊仙が出雲から隠岐島が見えるように、朝鮮が見えるとしたのは鬱陵島だ。三国通覧輿地路程全図が作製されたのは、朝鮮政府との領土紛争の末、江戸幕府が鬱陵島への渡航を禁じた一六九六年から約百年後で、鬱陵島は確かに『朝鮮ノ持也』だった。さらに、現在の竹島を『竹島』と呼ぶようになるのは一九〇五年以降。韓国側の主張は間違っている」

 −誤解の原因は。
 「まず、三国通覧輿地路程全図を作製した背景と過程を知る必要がある。林子平は日本周辺での有事に備え、近隣との地理的関係を示す地図が不可欠と考えた。そこで、長久保赤水が一七七九年に作製した『日本輿地路程全図』という日本地図を中心に置き、自ら著した『三国通覧図説』に収録した『朝鮮国全図』『琉球国全図』『蝦夷国全図』『無人島大小八十余山之図』という四枚の地図をつなぎ、三国通覧輿地路程全図を完成させた」

 「その日本輿地路程全図には、竹嶋(現・鬱陵島)と松嶋(現・竹島)が描かれ、竹嶋(現・鬱陵島)には『見高麗猶雲州望隠州(朝鮮を見ること、出雲より隠岐を望むがごとし)』という、隠州視聴合記から引用した付記がある。だが、林子平の三国通覧輿地路程全図にある『朝鮮ノ持也』との付記はない。『朝鮮ノ持也』は、林子平が書き加えたことが分かる」

 −その経緯、理由は。
 「三国通覧輿地路程全図を見ると、林子平は朝鮮国全図からの引用で、于山国(現・鬱陵島)を描くと同時に、日本輿地路程全図を基に竹嶋(現・鬱陵島)も描いた。つまり、鬱陵島が二つ存在している。于山国と竹嶋を別々の島と思い込んでいたわけだ。一方で、青木昆陽の『草廬雑談』や伊藤東涯の『■軒小録』などを通し、江戸幕府の鬱陵島への渡航禁止を知っており、竹嶋(現・鬱陵島)を描く際に『朝鮮ノ持也』と付記した」

 −韓国は日本輿地路程全図で、日本領土に施されている彩色が朝鮮半島や竹嶋(現・鬱陵島)、松嶋(現・竹島)にないことから、日本側が両島を朝鮮領とみなしていたとも指摘している。
 「主張には何ら説得力がない。なぜなら、彩色がないのは、現在の鬱陵島や竹島に限らない。当時、日本領と認識されていた沖永良部島や青ケ島、沖ノ島などにも、彩色はないからだ。鈴木驥園が一八五二年、日本輿地路程全図を改訂して作製した『増訂大日本国郡輿地路程全図』では、現在の鬱陵島や竹島にも、日本本土と同色の彩色がある」
 ■:車へんに八に酉

ポイント
◆三国通覧輿地路程全図に描かれ、「朝鮮ノ持也」との付記がある「竹嶋」は、現在の「竹島」ではなく、「鬱陵島」である

◆林子平は、いずれも現在の鬱陵島である「于山国」「竹嶋」を別々の島と思い込む一方、鬱陵島が朝鮮領と知っており、「朝鮮ノ持也」と記した

◆日本領土に施されてある彩色が松嶋(現・竹島)にないことが、日本側が朝鮮領と見なしていた証拠という韓国側の主張は説得力を欠く

('05/11/01 無断転載禁止)

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