第15回連歌甲子園

  全国の高校生と高専生が参加する「第15回全国高校連歌選手権大会(連歌甲子園)」(山陰中央新報社主催)は、課題の二つの前句(まえく)に対して各地から1378点の付句(つけく)が寄せられ、大賞2点と優秀賞20点が決まった。

 大賞に輝いたのは、課題1「最初からやり直したい夏休み」が、平田高1年の大場光琴さんの「水着の値札はずさないまま」、課題2「いいねと言ってくれぬ先生」は、開星高3年の善波大雅さんの「ちょっとだけ茶髪で秋を表現し」。

 連歌甲子園は、山陰中央新報文化面に連載中の「レッツ連歌」の高校・高専生版。選者で島根大名誉教授の下房桃菴さんら7人の島根大連歌サークル「やみつくば会」が審査した。入賞者には記念品として図書カード(大賞5千円、優秀賞2千円)を贈る 。
 
<総評>読者が想像できる楽しみ
 課題1の大賞句は、一度も泳ぎに行けなかった残念な夏休みを詠んだ作品。けれども、そのことをあからさまには言わずに、「値札」ひとつで婉曲(えんきょく)に表現したところを、高く評価しました。ほんとうに言いたいことは伏せて、読者が想像する楽しみを残しておいたほうが、おもしろい表現になるものです。

 もっとも、読者の中には、この句を、うっかり値札を付けたまま泳いでいた恥ずかしい体験、と誤解する人もいるかもしれません。どのように解釈するかは、その人の読解力によります。そう、一般に芸術というものは、享受者の力量が問われる、怖~いものなのです。

 教師は、なにかと生徒を規制したがるもの。その当否は別として、課題2の大賞句のようなことは、多くの学校ではおそらく許されないことでしょう。でも、それが連歌でなら詠める。そもそも、連歌はフィクションなのですから。

 短歌や俳句の世界では、たとえば「作者の深い思いが込められ」などという批評を、よく目にするものです。しかし、連歌に、そういう意味での「思い」など、込める必要はぜんぜんありません。茶髪にでも金髪にでも、もしお好みなら私のような白髪にでも、好きなように染めて、お楽しみください。

(下房 桃菴)

2017年5月13日 無断転載禁止

こども新聞