第8回連歌甲子園入選句

◎一部、添削した作品があります。ご了承ください。

 

◆課題1◆
 …………………………………………
  汗だくになってかけ込むバイト先
 …………………………………………

【大賞】
制服脱いで制服を着る
 松江工3年  大田 勇気
 短詩型文学で、同じことば(制服)や類義語(脱ぐ・着る)を重ねるのは、ふつうは損なこと。が、この句は、対句のおもしろさで成功。その分、リズムもよくなりました。

【優秀賞】
最上階にあるレストラン
 横田1年  山田みな美
 そのくせ、エレベーターはない、のらしい。

許してくれた優しいオーナー
 情報科学3年  平井 麻衣
 もっとも、それも一回だけでしょう。

原付バイク買っちゃおうかな
 立正大淞南1年  土屋 知也
 その分遅く出るから、同じことです。

時計早める母の作戦
 佐賀・佐賀農2年  金谷 星彩
 たびたび使うと効果がなくなる。

今日の言い訳なににしようか
 山口・奈古2年  鍵村 辰也
 きのうも、おとといも、さきおとといも遅刻したのですね。

好きなあの子に気づいてほしくて
 隠岐島前3年  佐藤 優花
 注目を引くためなら何でもする、できる。うらやましい。

ストーカーです助けてください
 浜田2年  石本 竜大
 かけ込んだ所がたまたまバイト先だった、という意外性。

いつかは社員になりたいもんだな
 矢上3年  三上 明彦
 名ばかり管理職なんてのもあるから、ご注意!

地球ごめんねクーラー付けます
 開星3年  藤原 明日香
 ごめんね、という気持ちを忘れなければ、いつかお返しができるかも。

学校だったら歩いていくけど
 奈良・郡山2年  寺本 麻衣
 この気持ち、よく分かる。分かるけれど、正直すぎます。
 

◆課題2◆
 …………………………………
  ナゾの天使の住む西洋館
 …………………………………

【大賞】
いいかげんコスプレやめてお母さん
 出雲工1年  野村 尚哉
 同情します…、と言いたいけれど、もちろん、これは尚哉君のお母さんではありません。連歌はフィクション。フイクションだから、何でも言えて楽しめてしまう。

【優秀賞】
ついに来たラストステージ現れた
 松江工3年  青戸 俊也
 「ナゾの天使の住む西洋館」という名のゲームでしょうか。

もう見えぬ子供のころは見えていた
 出雲工1年  品川 栄樹
 健全な大人に成長した証しです。

こんなのがあの世だなんて予想外
 松江工3年  隠田  健
 だれも行った人はいないのだから、何を言っても大丈夫。

子供にはまだまだ早い夜の街
 開星2年  小笹 周矢
 そう言っているのが子供だから、笑っちゃいます。

もう二度と行けそうもない夢の中
 松江工3年  清水 郷司
 何度も同じ夢を見るとしたら、そのほうが気になる。

一年中バラが枯れずに咲きほこり
 松江工3年  山野 真実
 楽園のようにも思えるし、とはいえ、かなり気持ちわるそう。

芸能のネタも尽きたかワイドショー
 開星3年  野津亜紀子
 どちらにしても、取材の裏付けは、ちゃんとしてほしいもの。

雨の日に窓からのぞく黒い髪
 松江工3年  佐藤  匠
 「黒い髪」がのぞくわけはないけれど、そう表現することですごみが出る。

一箇月通いつづけてゴールイン
 江津工2年  本藤  隆才
 おめでとうございます。でも、天使って、男? 女?

いっせいに鳥がはばたく夜の空
 境港総合技術2年  渡辺 志織
 その鳥、頭は猿で、胴体は狸、手足が虎で、尻尾は蛇に似てはいませんでしたか。

2017年5月13日 無断転載禁止

こども新聞