(5)フクロウ 音もなく闇夜を滑空

 夕暮れ時。突然、背後から「スーッ」と風切る音が耳元をよぎった。茶褐色の体が素早く、低空を滑るように通り過ぎた。ほとんど音を立てない独特の飛行。すると、すぐさまこっちに向かって舞い戻ってきた。枝に止まり、クルリと振り向いた顔が愛くるしかった。

 体長約三〇センチのフクロウ。各地の野山で見られる、在来種だ。大田市水上町の雑木林が迫る民家の裏庭で三カ月前、生後すぐに巣から落ちたところを家人に拾われた。

 野生に戻された今でも、朝夕は必ず、餌を求めて姿を現す。カメラを向けても慣れているのか、逃げようとしない。「クー、クー」と甘えたような声を上げ、餌をねだる。

 約四時間後、再び訪ねた。暗闇の中、民家の大屋根から鳴き声が聞こえた。懐中電灯で照らすと、首をこっくりこっくりと振り、こちらをうかがっている。声を掛けると突然、羽を大きく広げ、真っ暗な林の中へ吸い込まれるように消えていった。
 (写真は写真部・小滝達也 文は報道部・福間崇広)
闇夜に羽ばたくフクロウ
民家の裏山でこちらの様子をうかがうフクロウ

2003年8月19日 無断転載禁止