(6)タヌキ 体に似合わぬ用心深さ

 深夜、松江市郊外の川べりにセットした赤外線センサー付きのカメラが反応した。写っていたのは四匹のタヌキ。おびき寄せるため、前もって辺りに置いていた餌に気づき、真夜中のお出ましとなった。

 本州や四国、九州に広く分布する。体長五〇-六〇センチ、目の周りはパンダのよう黒く、見るからに愛きょうがある。

 ズングリした体形に似合わず、用心深い。簡単に撮影できると思ったのだが、意外にも苦戦。二週間目でやっとキャッチできたが、無人のカメラさえも警戒の対象になったようだ。

 もともと植物や昆虫、小動物などを食べる雑食性で、林や丘陵をすみかにしている。しかし、郊外に広がる宅地化などの影響で、生息地は年々狭まるばかり。農家には農作物を荒らす厄介者として嫌われ、タヌキの気持ちになれば、「身の置き所に窮している」とでも言えようか。

 いつしか見慣れた無人カメラに興味を持ったのか、親ダヌキが近づいてきた。「いい顔に撮ってくれよ」とでも言いたげな表情。タヌキとの化かし合い?は骨が折れる。
 (写真と文は、写真部・小滝達也)
ヨシの茂みから姿を現したタヌキ。ユニークでかわいらしい=写真はいずれも松江市内
群れで餌をついばむタヌキ

2003年11月18日 無断転載禁止