(10)ニホンザル 辺りを警戒ササの新芽あさる

 五月下旬、島根県邑智町の乙原地区でニホンザルを探して歩いた。同行してくれたのは日本自然保護協会の会員安田亮さん(36)。江の川に架かる栗原橋のたもとに差しかかったとき、安田さんが突然叫んだ。「サルがいる」

 姿は見えなかったが、かすかに鳴き声が目の前の山にこだましていた。しばらくすると山林のササがざわつき、山の上からサルの群れが一斉に下りてくるのが分かった。

 一瞬、ササの間から姿を現したサルに、1200ミリの望遠レンズを向けシャッターを切りまくった。

 ニホンザルは邑智郡内に三つの群れがいる。人里に下りて田畑を荒らす有害鳥獣に指定されている。安田さんは「山に餌のヤマボウシ、クリ、トチノキなどの樹木を植え、サルが田畑に出なくても餌が確保できるようになればいいのだが」と話す。

 姿を見せたのは夕方五時半ごろ。約五十匹の群れは、カメラを構えるこちらをうかがいながら、ササの新芽をあさっていた。今夜はこの辺りがねぐららしい。日も暮れたので、撮影をやめた。
 (写真と文は、報道部・小滝達也)
姿を現したニホンザル。辺りを警戒しながら餌のササを食べていた=島根県邑智町

2004年6月22日 無断転載禁止