新潟大会参加者リポート

「地域や学校の連携を視野にNIEを発展させよう」とパネルディスカッションなど熱心な討議がみられた第9回NIE全国大会=新潟市朱鷺メッセ
 新潟大会参加者リポート
 「思い」を感じ発信する場に
  松浦 宏道(吉田中学校教諭)

 今回初めてNIE全国大会に参加しました。新聞によってどんな力がつくのか、どんな活用の仕方が効果的なのか、参考になるネタを求めて出かけました。
 社会科の授業公開では、「変貌(へんぼう)する新潟~姿を消した新潟の堀を通して」をテーマに、堀の埋め立ては良かったかどうかを考えるものでした。40年前の新聞記事から堀の埋め立てについて賛成派や反対派の意見を知り、生徒たちが聞き取り調査では得ることのできない当時の人々の生の声に触れて討議することはとても興味深いものでした。
 人々の記憶や思いは時間とともに変化しても、新聞記事の中に残っている思いは、時間が過ぎても変わらないということをあらためて感じさせられました。
 新聞記事から思いを読み取り、感じることだけでなく、新聞投稿の取り組みのように自らの思いを発信する場として新聞をうまく活用していきたい、と感じました。

 脱イベント化への方策必要
  野津 孝明(県立松江南高校教諭)

 今回で全国大会への参加も8回目となりました。これまでNIE活動を実践してこられた先生方の姿が新潟に見られないことに気づきました。分科会の実践発表は、この10年で出尽くした感があります。「私はこのような実践を行いました」的な発表はもはや新鮮味に欠けてきています。これからは「私はこの実践を行い、このような評価を行いました」が、必要になると思われます。
 特に私の所属する高校現場は評価が苦手であるように思われます。今後の大会で、評価実践を勇気をもって報告してほしいと強く感じました。
 全国大会そのものが「イベント化」していることに警鐘を鳴らしたいと思います。参加人数が1000人を超えると、NIE活動もその経験年数が長い人から初心者の方までと幅が広くなりすぎ、どちらの層にも参加すべき分科会が不足しています。県域を超えた交流は大いに歓迎しますが、得るものが不足する大会に参加者が今後は集うでしょうか。大変心配です。
 新聞社側の積極的な討議参加が見受けられないことも気がかりです。教師の自由なNIE活動のための応援には感謝しています。しかし、もはや学校教育は教室の中のみで行われる時代ではありません。外界からの提言や新鮮なアイデアが必要だと感じます。新聞社側からのNIE活動の具体的提案や新聞報道の倫理規定に関するケーススタディー報告などぜひとも課題研修に積極参加してほしいと思います。

 考える力つく実践の継続を
  勝部 良子(広瀬町立山佐児童館教諭)

 私は数年前からNIE学習会に参加しています。昨年、第8回NIE松江大会で島根から提唱された生涯学習型NIEの中で、幼児教育現場から「幼児と新聞との出合い」「幼児が新聞で育つもの」について報告しました。
 青少年の活字離れが深刻化する中で、小説「山本五十六」を書いた工藤美代子氏の記念講演「考える力、新聞が育む」を興味深く聴きました。
 「新聞はすべてが事実であり、背景に何が潜んでいるか、考える想像力が養える」「生きていくには、この想像力が必要である。子どものころから新聞を読む習慣を身につけてほしい」との話に共感しました。
 文字が読めない幼児が新聞に触れ、目に留めた写真や絵図からさまざまなことを想像し、あそびとして広げていく、これまでの実践を振り返り、幼児期の新聞との出合いをいっそう大切にしたいと思いました。
(2004年9月1日掲載)

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