浜田で第5回島根県NIEセミナー

「生徒が自分の考えに自信を持つようになった」と1年間のNIE実践を報告する竹崎修次益田工業高教諭
石見にも広がる実践の輪
記事の迫力生かし切り抜き授業 自他の意見を比較考察
 竹崎修次・益田工高教諭の報告


 NIE実践校となった昨年度から、2年生の現代社会の科目で、新聞記事を活用した授業に取り組んでいる。

 切り取った新聞記事を専用のシートに張り付けてコピーしたプリントを生徒に配布した。名付けて「ズバリ!ここに注目!」。新聞の見出しをそのままはりつけ、見た目のインパクト、生徒の興味、関心を高めようと工夫した。余白には「本日のキーワード」の欄を設け、最低限の知識を身に付けさせて、評価基準を明確にするよう努めた。

 このプリント活用のポイントとして、記事内容をいかに把握し、思考・判断力の向上につなげていくのか、自分の考えを表現する技能の育成も考えた。そのため、「自分の考え欄」と「他人の考え欄」を下に枠囲みで設定し、自由に書き込めるようにした。他人の意見と比較し、自分の考えを持つことへの自信と意欲をかきたてる狙いだ。

 2時間に1度のペースでプリントを配布し、授業時間の半分を使った。内容は特に限定せず、取り扱うのにふさわしいと思われるものを私が選択した。1年間に42枚のプリント授業を行ったが、自衛隊のイラク派遣や高卒就職率、長崎誘拐殺人事件、刑法改正など幅広く、タイムリーな取り上げ方に留意。意見をまとめ、新聞の投書欄への投稿、掲載の反響など考えを主張することにもつながってきている。

 経済、政治、環境、国際社会など変化する社会情勢をつかむのに役立つと考えて指導してきた。生徒自身も「自ら考えることに自信が持てるようになった」「内容が新鮮で、今、日本や世界で何が起きているかが分かってきた」「自分の無知を思い知らされた。友人や家族と世間話ができるようになった」など肯定的な意見が多かった。

 教科書と新聞プリントを行ったり来たりし交互に学習を進めたが、半分以上は新聞記事だけで現代社会の実益的な学習ができそうだと感じた。

 今後の課題としては、取り上げる教材の客観性をどう確保していくのか、授業者の主観をどう排除していくのかだ。さらに、新聞教材と教科書教材の重複を避けて、授業の進度を意識した効率的な授業をどう展開していくか。生徒の興味をかき立てる国の予算など経済分野の生きた教材を生徒に提供していきたい。
(2004年12月31日掲載)

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こども新聞