(16)アオサギ S字型に首曲げ飛行

 春の湖北平野。水田に目を向けると、アオサギ五羽が羽を休めていた。水ぬるむ用水路にじっとたたずみ、近づく魚影にくちばしを素早く突っ込んだ。長さ十センチ足らずの小魚を捕らえるという一瞬の早業。見事だった。

 アオサギは日本全域に生息し、サギの仲間では最も大きい。全長約九十センチで、翼を広げると約百六十センチにもなる。体は灰色で成長すると、頭の黒い冠羽が目立つ。

 食欲は旺(おう)盛。魚や昆虫、甲殻類、両生類、ネズミまで、動くものなら何でも食べる。

 細身で首が長く、一見すると鶴のよう。でも、飛ぶと違いはすぐ分かる。鶴は首を真っすぐ伸ばしたまま飛ぶのに対し、アオサギはS字型だ。

 毎日、この群れを自宅から見ている橋本勝正さん(60)=松江市西浜佐陀町=によると、一羽だけ飛び抜けて大きいアオサギがいるらしい。気性は荒く、餌場でトビを押しのけるという。会ってみたかったのだが、残念ながらこの日は姿を見せなかった。

 群れに千ミリを超える望遠レンズで迫った。しばらくすると一羽が大空に向かい舞い上がった。ファインダー越しに見るアオサギはしなやかで湖北の風情に溶け込んでいた。

 (報道部・小滝達也)
しなやかな姿で羽ばたくアオサギ=松江市の湖北平野

2005年3月29日 無断転載禁止