松江市立来待小学校 伊藤雅美教諭実践報告

「災害取材から学ぶ」地震の被災地を取材した記者2人から取材体験を聞く来待小の児童
 複数紙比較で多面的に学ぶ
  人物写真や4コマまんがも活用

 自分の意見をまとめ、投書で社会に発信する-さまざまな新聞から多面的な見方を学ぼうと、昨年秋からNIEに取り組んできた松江市立来待小学校(松江市宍道町上来待)。半年間の実践活動を、指導にあたる伊藤雅美教諭のリポートや記者派遣授業を受けた児童の感想で紹介する。

 ☆表現する力
 まず、新聞に関心を持ち、さまざまな新聞記事を読もうとする態度を育てたいと考えた。複数の新聞を比較しながら、記事の視点や表現、考え方の違いをつかみ、多面的な見方があることを学ぶ。さらに、新聞記事などを各教科の学習にできるだけ生かし、読解力と表現力を高めたい、と思った。

 ☆新聞を楽しむ
 【私はだれでしょう?】著名な人物の顔写真から、名前をあてる選択クイズ。子どもたちの関心は高かった。
 【4コマまんがの吹き出しの言葉を考える】4コマ目の吹き出しの言葉を自分なりに作る。ユニークな発想から生まれた表現も出た。
 【フォトランゲージ】一枚の写真から、どんなことが分かるか読み取る。グループで話し合い、クラス全体で意見交換をする。さまざまな見方が出てきて、子どもたちには好評だった。
 【社説・投書・コラムなどを読む】新聞7紙の社説、投書、コラムを紹介。新聞に対する子どもたちの目を広げるように努めた。
「気になる記事」を見つけて仲間にニュースを知らせる掲示板「NIEコーナー」
 【新聞記事の読み比べ】見出しの表現や写真の扱い方の違いなどを主に取り扱った。
 【NIEノート】気に入った記事を見つけ、それに読んだ感想を加えていく。各家庭で継続して取り組んだ。
 【おすすめ記事作り】各新聞の担当グループで、全校のみんなへの『おすすめ記事』を見つけ、コメントをそえてNIEコーナーの壁面に掲示した。週1回ペースの継続した活動となった。
 【投書の活用(教科との関連)】国語「自分の考えを発信しよう」で、自分の考えを投書で表現することにした。また、2月の授業公開日には、「おこづかい」をテーマとした投書をもとに、親子で意見交換の場を設けた。とても盛り上がり、充実した時間となった。
 ☆家庭と連携を
 試行錯誤しながら実践を進めてきた。NIEノートやおすすめ記事を見ると、投書・コラムなど、取り上げる記事の広がりが見られるようになった。また、アンケートからも、新聞を読む機会が増えたことが分かる。
 今後は、いろいろな学年で新聞の活用を図ってもらうように働きかけたい。また、家庭と連携した実践活動にも取り組んでいきたい。

 記者授業の感想 6年生(当時)
 ボランティアの活動 犬山 映美さん
 朝日新聞の石川さんと、山陰中央新報の小笠原さんの2人の記者のお話を聞いて、私が想像していたより地震は大変なんだな、と感じました。
 地震の被害を受けた人たちが、本当は苦しいけれど、がんばっていらっしゃると聞いて、良かったな、と思いました。
 また、ボランティアの活動をしている人たちは、被害にあった家の片づけのほかにも、ボランティアの人の食事づくりなどもされているなんて初めて知りました。

 被災地がんばれ 秋廣 一平くん
 記者の話を聞いて、阪神淡路大震災や新潟中越地震のことが、くわしく分かりました。
 新潟中越地震の取材の話が印象的でした。
 校庭の3分の2に被災者の仮設住宅が建てられ、そんな中で、サッカーをして子どもたちが遊んでいたそうです。地震のために大変な被害にあってもくじけず、元気で強い子どもたちだな、とおもいました。
 また、ボランティアの人たちは、みんなで協力して、いろいろな活動をされているんだな、と思いました。

 知らない世界を習う 樋野 恵理さん
 国内で起きた2つの地震を分かりやすく教えてくださいました。
 地震には、横ゆれだけでなく、縦ゆれもあるなんて知りませんでした。また、取材している時の食事はどうするか、どこに泊まるのかなど苦労話が印象に残りました。
 私の家を地震から守るために、タンスなどを固定するようにしたいです。
 私たちが知らない世界のことを教えてもらって本当に良かったです。

 地震は本当にこわい 坂本 優衣さん
 記者のお話を聞いて、地震は本当にこわいな、と思いました。とても分かりやすく話してくださったので、震災があった現場の様子がイメージしやすかったです。
 阪神淡路大震災では、火事も発生して終戦後の東京のように焼け野原の所もあったと聞いて、すごくびっくりしました。
 新潟中越地震では、道路のひびわれが600カ所ぐらいあったと聞いて、地震の破壊力のすごさが分かりました。

 記者の仕事は大変 大廻 匠くん
 新聞記者の方の大変さがよく分かりました。とくに、地震などの災害取材は、大変だなと思いました。
 地震があったら、道路は通れなくなるので、危ない所に行って仕事をされるんだな、と感じました。また、忙しい時は、夜中まで仕事をされる日が続くと聞いて驚きました。
 地震の事だけでなく、記者の仕事の大変さも分かり、とてもいい勉強になりました。

2005年4月30日 無断転載禁止

こども新聞