(23)ブッポウソウ 羽を休める姿に気品

 野生動物を追って足を運んだ島根県美郷町。中国山地に入ると突然、「ゲッゲッ」と濁った鳴き声が聞こえた。ブッポウソウだ。あまり品のない鳴き声とは対照的に、見た目は愛らしい。

 ブッポウソウはロシア極東部から赤道付近の島々、オーストラリアにかけて広く分布。渡り鳥で、日本には夏場、訪れる。

 青緑色の体に赤いくちばしを持ち、どことなく異国情緒を感じさせる鳥だ。大木のある静かな場所を好み、昆虫を食べる。

 ところが、今回撮影したブッポウソウは、コンクリートの橋の欄干の裏側に巣を作っていた。かつてはどこにでもあり、営巣に役立っていた木製電柱が少なくなってしまったからなのか、ブッポウソウには日本はすみにくくなっているようだ。

 このためだけではないが、近年、急速に数を減らし、島根県のレッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)(1)類に指定されている。

 ブッポウソウは漢字で書くと「仏法僧」。昔の人はこの鳥が「ブッポウソウ、ブッポウソウ」と鳴くと思い込み、この名がついた。実際はミミズクの一種コノハズクだったのだが…。

 すばしっこい小鳥で、撮影には苦労したが、時折、電線に止まってくれた。羽を休める姿に気品があり、誤解で名付けられたとはいえ、「仏法僧」の名がふさわしいように思えた。

電線に止まり、辺りを見渡すブッポウソウ=島根県美郷町

2005年5月31日 無断転載禁止