5、6月の重大ニュース

 ▽脱線は速度超過が主因と断定
 尼崎JR脱線事故を調べている兵庫県警や国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、高見隆二郎運転士(23)=死亡=の急カーブでの速度超過が事故の主因とほぼ断定。制限を超える時速126キロで走行、半径300メートルのカーブの30メートル手前で非常ブレーキをかけ、脱線に至ったとみている。
 JR西日本は5月6日、事故当日の4月25日以降、天王寺車掌区がボウリング大会を開いていた問題など、不適切な行動が同社管内で13件あったと発表した。発生を知りながらゴルフコンペや宴会を開くなど、かかわった社員は延べ185人で、人命に対する意識の緩みが全体にまん延していることを浮き彫りにした。

 ▽55日ぶり運転再開
 全面運休していたJR福知山線尼崎-宝塚間(17・8キロ)の営業運転が6月19日、事故から55日ぶりに再開された。
 戦後の列車事故史上4番目となる死者107人、540人以上が負傷する惨事になった脱線事故は、1つの節目を迎えた。始発の上り普通電車は午前5時、宝塚駅2番ホームから発車。JR西日本の垣内剛社長が運転士の隣に乗った。現場の線路脇では午前4時40分ごろ、南谷昌二郎会長ら同社幹部が集まり黙とう、献花した。
 事故後の運休で乗客延べ542万人に影響、運休本数は2万1201本に上った。JR西日本は新型列車自動停止装置(ATS―P)の導入を進めた。過密ダイヤが事故を招いたとの批判を受けて快速電車の所要時間を1分40秒延ばす一方で、カーブの制限時速を抑えた。また遺族と負傷者に対し、過去の事故の水準を上回る補償方針を示し、個別交渉へ踏み出した。

 ▽イラクで「日本人拘束」
 イラクの「アンサール・スンナ軍」を名乗る武装勢力が5月9日、ウェブサイトで犯行声明を出し、英国系警備会社に雇われている斎藤昭彦さん(44)とみられる日本人を西部ヒート近くで拘束したことを明らかにした。
 日本政府は10日、首相官邸連絡室と外務省対策本部を設置した。斎藤さんは陸上自衛隊第一空挺(くうてい)団(千葉県)に所属していた。除隊後、フランスの外国人部隊に。1年以上前から警備会社「ハート・セキュリティー」(本社・キプロス)のイラク支店に勤務、イラク西部の米軍基地警備に従事していた。武装勢力はヒート近くで待ち伏せし、米軍基地から出てきた外国人5人とイラク人12人の車列を襲撃、16人を殺害したとしている。
 
 ▽島根中央信金と出雲信組合併へ
 島根中央信用金庫(大田市大田町、的場章好理事長)と出雲信用組合(出雲市今市町、木佐明宏理事長)は5月12日、来年4月をめどに対等合併すると発表した。合併後は出雲信組が解散し、島根中央信金が存続金庫となる。経営基盤を強固にし、地域の中小企業の育成や支援、再生の取り組みを一層強化する。合併により預金ベースで県内では他信金を大きく上回る約1850億円となり、山陰両県では米子信用金庫に次ぐ2番目の規模となる。
 合併後の名称は「島根中央信用金庫(仮称)」。本店は現出雲信組本店に置く。理事長には的場理事長、副理事長には木佐理事長が就く。当面店舗の統廃合は行わず、計35店舗で営業する。

 ▽島根県が竹島問題研究会発足
 日韓両国で主張が異なる竹島(韓国名・独島)の領有権問題の解決を目指し、島根県の澄田信義知事は5月24日、双方の見解や論点を客観的に研究・整理する学術組織「竹島問題研究会」を立ち上げると発表した。6月21日に初会合があり、日韓親善へ史実を検証していく方針を確認した。研究成果は本年度末の中間まとめを経て、06年度中に最終報告する。

 ▽橋梁談合で14人逮捕
 国発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事の入札談合事件で、東京高検は5月26日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で専業メーカー最大手の横河ブリッジ(東京)橋梁営業本部総括部長横山隆容疑者(59)、大手総合メーカーの三菱重工業(東京)橋梁部次長田中隆容疑者(54)ら11社の執行役員、営業担当部長ら計14人を逮捕した。横河ブリッジなど8社は2つの談合組織の常任幹事と副幹事で、23日に公正取引委員会が検事総長に告発していた。
 市場規模でみると、鋼鉄製橋梁談合は約3500億円で過去最大級。両会は毎年、年度末に47社全社の担当者が出席する総会をそれぞれ開き、翌年度の受注調整の権限を幹事社に一任することを確認。独禁法が禁じる「事業活動の拘束」を行っていた。

 ▽住基ネットから削除命じる
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)は、憲法が保障するプライバシー権や人格権を侵害し違憲として、石川県の住民28人が、住基ネットに提供された個人情報の削除と国などに一人当たり22万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、金沢地裁の井戸謙一裁判長は5月30日、県と地方自治情報センターに原告住民の個人情報を削除するよう命じた。
 住民が住基ネットからの離脱と国などに賠償を求めた訴訟は全国13地裁で提訴され、判決が言い渡されたのは金沢地裁が初めて。損害賠償請求は退けた。

 ▽名古屋地裁は一転請求棄却
 「住基ネット差し止め訴訟」のうち、愛知県の住民13人が本人確認情報の削除や国と県に1人当たり計22万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決で名古屋地裁の西尾進裁判長は5月31日、原告の請求を棄却した。
 西尾裁判長は判決理由で「住民基本台帳の本人確認情報は以前から誰でも閲覧可能で、秘匿の必要性が必ずしも高くない」と述べた。

 ▽日本 W杯へ一番乗り
 サッカーの2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア最終予選B組の日本は6月8日、バンコクのスパチャラサイ国立競技場での無観客試合で北朝鮮と対戦し、2-0で快勝し、3大会連続3度目のW杯出場を決めた。日本は4勝1敗で勝ち点を12に伸ばし、B組2位以内を確定。初出場した1998年フランス大会、韓国と共催した02年大会に続くW杯切符を手にした。出場32チーム中、開催国ドイツを除き、世界各地での予選突破第1号となった。

 ▽イチローと野茂が記録達成
 米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(31)=本名鈴木一朗=は6月14日、シアトルで行われたフィリーズ戦の1回にリーバー投手から右越え安打を放ち、日本選手初の大リーグ通算1000安打を達成した。696試合での到達は史上3番目のスピード達成。
 米大リーグ、デビルレイズの野茂英雄投手(36)も15日、トロピカーナ・フィールドで行われたブルワーズ戦に先発して今季4勝目(6敗)を挙げ、日米通算200勝利を達成した。日本人大リーガーでは初めて。日本では近鉄で5年間に78勝、大リーグでは11年目で122勝を挙げた。

2005年6月30日 無断転載禁止

こども新聞