(30)クロツラヘラサギ 独特の嘴で獲物を探る

初冬の米子水鳥公園(米子市彦名新田)。夕暮れ時に足を運び、つばさ池の桟橋から水面を見ていると、希少種のクロツラヘラサギが舞い降りてきた。
 クロツラヘラサギは世界にわずか、千四百羽程度しか生息していない。
 コウノトリ目、トキ科で体長が七〇センチから八〇センチ。黒い顔と黒いしゃもじのように広がった嘴(くちばし)が特徴。朝鮮半島などで繁殖し、台湾、香港などで冬を越す。
 日本でも毎年九州を中心に少数の越冬が確認される。水鳥公園には、この時季に一、二羽が飛来し、今年は、今月上旬に一羽が姿を見せた。
 環境省のレッドデータブックでは、将来絶滅の危険性が極めて高い、絶滅危惧(きぐ)種1類にランクされている。
 水鳥たちの鳴き声で辺りがざわついてきた。カモの中に交じり、嘴を機敏に動かすクロツラヘラサギ。水面に幾度も差し込み好物の小魚を探しているようだ。
 突然、純白の羽を大きく広げ、ばたばたさせ始めた。願ってもないダイナミックな一瞬-。思わぬ幸運に感謝しつつ、シャッターを押した。
米子水鳥公園に舞い降りたクロツラヘラサギ。純白の羽を大きく広げた姿が印象的だ=米子市彦名新田

2005年11月29日 無断転載禁止