第6回島根県NIEセミナー 県地域おこしマイスター・寺本恵子さん講演

 学校の授業に新聞を活用するNIE活動の普及を目指す「第6回島根県NIEセミナー」が11月12日、松江市殿町の県民会館であり、同県邑南町の県地域おこしマイスター寺本恵子さん(62)が「新聞と私」と題して講演、「新聞は、子どもたちの考える力を養う格好の教材」と話した。また、県内実践校の活動報告があった。セミナーの詳細を紹介する。

 新聞は考える力養う教材
  活字から多様な意見学ぶ


新聞とのかかわりについて講演する寺本恵子さん
 寺本さんは山陰中央新報経済面の寄稿企画「農に想う 海を語る」の出筆者の一人として8年間、新聞づくりにかかわっており、読む側、書く側の両方の視点を織り交ぜながら講演。

 寺本さんと新聞との出合いは、小学3年生のときに、両親が週末だけ発行される小学生新聞を取ってくれたこと。

 「最初は、四こま画だけに興味があり、切り抜いては友達に見せていた。喜んでくれることがうれしくて、この喜びがほかの記事を読むきっかけとなり、中学時代は新聞部で、新聞づくりの面白さを味わった」

 高校は父親の転勤で松江の学校へ転校した。3年生のとき、また父親が転勤となり、下宿生活をした。そのとき父が1年分の下宿代と新聞代を払って赴任地へ向かった。

 「周囲は『高校生に新聞なんてぜいたくでは』と驚いていたが、今思うと、父がどうしてそうしたか分かるし、感謝している」

 ここ8年ほど、新聞で書く側の立場を体験している。

 「思いが相手に伝わるよう言葉を選ぶことがいかに難しいかを思い知らされた。ただ、ここまで続いたのは、幼いころから親しんだ新聞が知らず知らずのうちに、多面的な考え方を受け入れながら、自分の考えをまとめる力を育ててくれていたと思っている」と振り返る。

 現在、寺本さんは中学校や高校で子どもたちに話をすることがある。必ず「新聞読んでる?」と聞くが、読んでいる子は、まずいないという。

 「子ども時代は、考える力がどんどん広がる時期。そんなときに考えることを放棄してはいけない。情報を得て、消化し、役立てていくことが大切。活字の向こうにどんな思いや意見があるか、考えることができる思考回路をつくってほしい。新聞はそうした力を身に付ける上で、とても適した教材だと思う」

 ある高校生から来た手紙に「新聞を読んだら面白かった。これからも読んでみようと思う」とあったという。寺本さんは「新聞に触れるきっかけづくりをするのがNIE活動。ぜひ、子どもたちの背中を押してほしい」と締めくくった。

2006年1月2日 無断転載禁止

こども新聞