(32)タゲリ 冬の陽光で輝く光沢の翼

 寒風が吹き抜ける冬の湖北平野。水田の脇で突然、「ミュー」と子猫に似た鳴き声がした。数羽のタゲリだった。大きさはハトぐらいだ。長い冠羽が印象的で、美しい姿にしばし見とれてしまった。

 タゲリはチドリ目チドリ科。体長約30センチ。ユーラシア大陸などで繁殖する。日本には冬場、本州、四国、九州などに渡ってくる。北海道では旅鳥だ。

 頭上と胸は黒く、顔の模様は歌舞伎役者の隈(くま)取りのよう。翼には光沢があり、陽光が体に当たるときらびやかに輝く。

 湖北平野には、昨年の12月中旬ごろ姿を見せ始めた。日中は忙しく動き回り、突然、泥地を片脚でたたきだした。こうすると好物のミミズなどがはい出してくるらしい。

 夕暮れ、あぜ道にいたタゲリがレンズの方に近寄ってきた。意外と警戒心がないようだ。振り向いた瞬間をファインダーの中に収めた。アップで見るとかわいらしさの中にも気品を感じた。
獲物を探して動き回るタゲリ。冬の日差しを受けた羽の光沢が美しい=松江市、西浜佐陀町

2006年1月10日 無断転載禁止