古民家活用学習の場 大田・仁摩町に住民グループ発足

宅野地区の活性化に向け活用される泉邸=大田市仁摩町宅野
 江戸時代、北前船の寄港地として栄えた大田市仁摩町宅野地区の古民家を活用し、地域の活性化を図る住民グループ「為山(しさん)塾」が11日に発足する。世界遺産に登録される石見銀山遺跡とのつながりやたたら製鉄などを紹介する歴史資料を展示し、子どもたちの学習の場づくりなどに取り組む。

 同地区でしょうゆ醸造業の藤間要二郎さん(60)が発起人代表を務め、住民ら10人で企画。千葉県在住の泉茂行さん(60)が所有する元回船問屋の古民家を活用する。

 泉邸は明治7(1874)年建築の木造平屋で約265平方メートル。儒学者の頼山陽に学んだ当主・泉全斎が江戸後期に自費を投じて私塾「為山塾」を開き、近郷の子弟に儒学や漢詩を教えた史実から、会の名称を決めた。

 宅野地区では江戸時代、たたら製鉄が営まれ、石見銀山で銀を採掘した工具の原料に鉄を供給し、海運で北陸などにも出荷した。

 泉邸では、同地区の歴史や文化を見つめ直すために資料を公開。子どもの体験学習や他地域との交流、情報発信などを展開する。11日の発会式では地区住民に設立目的などを説明し、具体的な活動内容を協議する。邇摩高校野球部員が大掃除を手伝う。

 藤間さんは「教育を振興した先人の志をくみ、宅野の歴史を生かしたまちづくりに取り組みたい」と話している。

2006年2月10日 無断転載禁止