神奈川大の中山茂名誉教授が銀山視察

石見銀山遺跡の本谷地区を視察する中山茂・神奈川大名誉教授(左)=大田市大森町
 国際科学史アカデミー副会長で、日本の科学史の研究者を代表する中山茂・神奈川大名誉教授(78)が二十五日、来夏、世界遺産に登録される大田市大森町の石見銀山遺跡を視察した。中山氏は来月、ドイツで開催される国際研究の場で、島根県などが取り組んだ同遺跡の調査成果を報告。海外での情報発信を支援するとともに、科学分析での交流を提案する。

 中山氏は、東京大理学部卒業後、米国ハーバード大で科学史の博士号を修得した。

 欧米などの鉱山史や経済史の研究者ら五十人が参加し来月中旬、ドイツで始まる「十六世紀から十九世紀の東アジアにおける貨幣と流通ネットワーク」研究チームにアドバイザーとして参画。日本の金銀山の研究史を講演する。その際、県などの総合調査で、奈良文化財研究所の村上隆・上席研究員が、製錬過程の遺物などから石見銀の生産工程を解明した科学分析結果などを報告する。

 中山氏は、同市の担当者の案内で、戦国後期から銀の採掘や製錬が行われた仙の山の本谷地区で、釡屋間歩などを踏査。「十六世紀の雰囲気が漂う、極めて印象的な遺跡」と注目した。

 さらに、国際研究の場で、石見銀山の科学分析の手法を活用するため、海外の研究者も交流するよう呼び掛ける意向を表明。「石見銀山は海外にあまり知られていないが、世界遺産にふさわしい価値がある」と評価し「世界的な視野の博物館を設けたり、外国の銀山などと比べ、石見銀で造られた品物が分かるような研究が進めば」と期待した。


2006年9月25日 無断転載禁止