石見銀山で「実証実験」スタート

IC小判を使って大森代官所の音声案内を聞く観光客ら
 来夏の世界遺産登録が迫る大田市大森町の石見銀山遺跡で三日、ITを活用した観光実証実験と交通規制の実証実験が始まった。観光客は無線ICチップを内蔵したIC小判を使って遺跡の音声案内を聞き、銀山の歴史と文化に思いをはせた。

 観光実証実験は、同町で町並み保存に取り組むNPO法人・納川の会が、来訪者の利便性を高めるために県の助成を得て実施した。

 同会は、戦国武将・毛利元就が石見銀で鋳造した丁銀をモデルにプラスチック製のIC小判三千枚を準備。日本語と英語、中国語、韓国語の四カ国語に対応し、龍源寺間歩など四カ所に置いた千両箱型のリーダー端末に小判をかざすと音声が流れる仕組みを設けた。

 同遺跡を初めて訪れた広島市の会社員広石久輝さん(35)は大森代官所跡で音声ガイドを聞き「面白い試み。石見銀山は歴史が感じられ、町並みも落ち着いた感じで良い」と話した。

 今回は実験のため、同小判を無料配布。端末データから観光客の動向が分析できる。同会の河村政二理事長(44)は「IC小判を各施設の共通チケットにするなど地域通貨の役割を持たせ、地域の活性化を図りたい」と話す。

 一方、交通規制の実証実験は、遺産登録に伴う観光客の大幅増を見込み、国土交通省中国運輸局が今春から実施。今回、初めてふれあいの森公園などの駐車場を有料とした。観光客にアンケートを取って有効性をチェックし、来年二月に同遺跡の交通システムをまとめる。

 観光実証実験は五日まで、交通規制の実証実験は六日まで行われる。

2006年11月3日 無断転載禁止