島根県が石見銀山産の丁銀を購入

島根県教委が購入した丁銀。左から、御公用丁銀、石州文禄丁銀、御取納丁銀(1999年購入済み)
 島根県が石見銀山産の銀で造られた「石州文禄丁銀(せきしゅうぶんろくちょうぎん)」と、「御公用丁銀(ごくようちょうぎん)」の2枚を購入した。いずれも16世紀に鋳造された完全品で希少価値が高い。石見銀山の歴史を語る「物証」の本家帰りで、来年夏に迫った世界遺産登録にもはずみがつきそうだ。

 石州文禄丁銀は、豊臣秀吉が文禄の役(1592―93年)で朝鮮出兵した大名への褒美用として鋳造させたとされる銀貨。表面に「石州銀文禄二卯月日」と、石見銀山で1593(文禄2)年4月に製造されたことを示す刻印が施されている。完全品は国内で5点程度しか確認されておらず、希少価値が極めて高い。長さ14・9センチ、幅4・6センチ、重さ201・6グラムで、購入価格は1397万円。

 御公用丁銀も、一部が欠けているものの完全品。1564(永禄7)―99(慶長4)年ごろに製造され、当時、石見銀山を管理していた毛利家が、朝廷や室町幕府に献上したとされる。表面には「御公用」との刻印があり、長さ15・3センチ、幅4・6センチ、重さ164・3グラム。1029万円で購入した。

 丁銀は、石見銀山の世界遺産登録を目指し始めた10年前から県教委などが情報収集し、貨幣商(東京)の仲介によって手に入れた。

 同県は1999年にも、石見銀で造られ現在1点しか存在しない特別鋳造の「御取納丁銀(おとりおさめちょうぎん)」を購入しており、来年7月から古代出雲歴史博物館(同市大社町)で開かれる「石見銀山展」で3点を併せて一般公開する。

 丁銀 室町時代から江戸時代にかけて流通した板状やナマコ型の銀貨。重さも不定で160グラム前後が多い。額面は記されておらず、重量によって貨幣価値が決まる。取引の度に適度な重量に切って使用されたため、完全品が残る例は少ない。

2006年11月28日 無断転載禁止