石見銀山の最新調査結果など発表

石見銀で鋳造された二枚の丁銀に見入る来場者ら=大田市大田町、あすてらす
 今夏、世界遺産に登録される石見銀山遺跡の最新情報を披露するシンポジウム「ここまでわかった石見銀山」が十日、大田市のあすてらすで開催された。研究者が、銀精錬の灰吹き法に使われた二例目の鉄鍋炉を確認した成果を報告。訪れた市民ら二百人は、石見銀で鋳造され初めて一般公開された島根県所蔵の丁銀二枚に見入った。

 同シンポは石見銀山協働会議と大田市が主催。

 奈良文化財研究所の村上隆上席研究員が科学調査で、二〇〇二年に仙の山の竹田地区で出土した鉄片を、十六世紀末から十七世紀初めの最盛期、銀精錬の灰吹き法に使われた鉄鍋の一部と確認したと報告した。

 灰吹き法は一五三三年、朝鮮から日本で初めて石見銀山に導入されて、各地に広がり日本が世界有数の産銀国となっただけに、村上氏は「石見銀山の価値証明に重みを持つ」と強調。遺跡全体で0・1%しか発掘調査がなされていない現状から、継続した調査を求めた。

 さらに同氏は登録後を見据え「今後、どうするか考えねばならない」と指摘。昨年、同市で開催した金銀銅サミットを五月に佐渡市で開く予定を挙げ「各地とネットワークを築き地域活性化を考えてほしい」と訴えた。

 会場のホールでは、島根県が購入し、十六世紀に石見銀で鋳造された「石州文禄丁銀(せきしゅうぶんろくちょうぎん)」と、「御公用丁銀(ごくようちょうぎん)」が公開され、来場者が極めて希少価値が高い銀貨を熱心に観賞した。


2007年2月11日 無断転載禁止