取材班・島根女子短期大学 外からみた出雲弁

 地方に古くから伝わり、独特の言い回しで親しみやすさを感じさせる「方言」。ただ、聞き慣れない人には気になるもの。とりわけ出雲弁は出雲地方以外の人には分からない言葉が多い。今回は、県内外から学生が集まる県立島根女子短期大学の学生有志6人が、「外からみた出雲弁」についてアンケート調査を実施し、分析した。

 「~だに」に驚き 「ごす」って何?
    柔らかい印象 県民性反映


 同大の全学生460人を対象に1月、実施した(回答324人)。

▼「使い方違う」
 出雲弁をテーマに選んだきっかけは「出雲弁の『だがー』の意味が全然わからなかった」という県外出身者の一言。では、学生は出雲弁のどんな言葉に驚き、どんな言葉に親しみがあるのかを調べた。

 調査結果から、出雲地方以外から来た学生は、出雲弁の語尾につく言葉に驚いているようだった。出雲地方以外を対象にした「びっくりした出雲弁ランキング」で1位を獲得したのは「~だに」。

 アンケートでは「出雲弁を知らない人に『今、バイト中だに』とメールを送ったところ、『だに』という語尾を珍しがられた」との書き込みがあった。さらに「後日『今勉強しとるだに』と話しかけられ、『ちょっと使い方が違う』と思った」とも。普通は「勉強しとるに」と使うが、「に」と「だに」の使い分けも、文法的に複雑なものがありそうだ。

 今回指導をしてくれた大塚茂教授によると、昔は「~だぬぇ」という発音だったが、時代の流れとともに現在のはっきりとした「~だに」になった、とのことだった。

▼「未成年です」
 出雲弁でも地域によって少しずつ違った語尾が発達しており、特に印象的だったのは、安来地方の「~だへん?」(疑問、問いかけの意)。松江出身の学生は、高校生の時、安来出身者が使っているのを聞いてショックを受けたと答えた。

 「びっくりしたランキング」で2位に入ったのは「ごす」という言葉。友達から「ごすって何」と言われたり、「席取っといてごせ」というメールが来て意味不明で困った、という話が寄せられた。「ごす」という言葉は知らない人が聞くとインパクトが大きいのだろう。

 ランキングには入っていないが「たばこする」という方言も印象的。確かに「たばこ=休憩」は分かりづらい。寄せられたエピソードの中には、「歩いていたら、店のおばあちゃんから『そこの2人、たばこしていかん?』と声を掛けられ、『私たち、未成年です』と答えた」というものもあった。

▼「かわいい」
 アンケートを集計して気付いたのは、出雲弁を聞いた印象として「ニュアンスがかわいい」「丁寧な印象を受ける」という意見の多さ。島根の県民性としてはっきりものを言わないという声をよく耳にするが、その県民性が柔らかい言い方の出雲弁をつくり出してきたのであろう。

 これからも出雲弁は時代とともに変わるかもしれないが、方言から見えてくる島根の人々のそうした人間性はいつまでも残っていってほしいと思う。


 出雲地方のびっくり地名
 アンケートの集計結果から、たくさんの人がびっくりしたという地名をピックアップしてみました。

 宍道(しんじ) 島根県や隣県の人ならおなじみの宍道。ですが、学生の中の県外出身者の人たちには、なかなか読めないらしい…。初めは漢字で「宍道湖」と書けなかったという人もたくさんいました。「宍道湖」は世界的に有名な湖です。みなさん、読むことも書くこともできるようにしましょうね。
 <おまけ> 2005年11月8日に、近接する中海とともにラムサール条約に登録されました。みんなで大切に自然を守っていきたいですね。

 揖屋(いや) この漢字はどう読むんだー!!というのが第一印象。アンケートの結果、宍道に次いで読めないという方が多かったです。県外出身者で、この地名を知っているという人は「すごい」と思いました。

 大根島 大根島? 大根が特産物なの、と思った人も多いのでは…。もしかして私だけでしょうか。ユニークな名前なのですぐ覚えることができますね。牡丹(ぼたん)庭園が有名で、きれいな牡丹がたくさん咲いているそうです。気分をリフレッシュしたい時など、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
 <おまけ> 大根島とは中海に浮かぶ島のこと。特産物は、牡丹と高麗ニンジンだそうです。

 ☆感想
 アンケートをとってみると、たくさんの面白い地名や、なかなか読めない地名がありました。その他、読めなかった地名は、木次、上乃木、安来、馬路など。初めて見聞きする地名も多くありましたが、その地名を知ることによって、少し島根県のことを分かった気がします。いろいろなことを知ることができてよかったです。(愛媛出身者)

 学校紹介
 2006年に創立60周年を迎えた島根女子短大(松江市)は、家政科、保育科、文学科に学生466人が在籍する。これまで8千人以上の卒業生を送り出してきた歴史があるが、4月からは県立大(浜田市)、看護短大(出雲市)との統合・法人化に伴い、女子短大から男女共学に。新たに「島根県立大短大部松江キャンパス」に生まれ変わる。今回、執筆したのは女子短大として最後の入学生となった1年生6人

 取材後記
 私たちの「青春はつらつ新聞」が出来上がりました。メンバーのほとんどが初対面、そしてテーマもなかなか決まらず、最初はとても不安でした。しかし、何回かの話し合いを通じて、徐々にみんなと積極的に話し合いができるようになりました。

 メンバーのうち5人は出雲地方出身なので前から出雲弁になじみはありましたが、紙面作りを通じて、さらに出雲弁の面白さを感じ取ることができました。また、愛媛出身者のメンバーは、いろいろな出雲弁があることに驚いていました。今回この紙面作りにかかわることができてよかったと思います。協力していただいたみなさんに感謝したいです。

 (舟木祥子、難波美穂、渡部静、沼田友美、高尾亜友美、藤田真衣)

2007年3月2日 無断転載禁止

こども新聞