(54)ヒシクイ あどけない顔に親近感

落ち穂などをついばむヒシクイ。そろそろ北に向かって旅立っていく季節だ=安来市、能義平野
 冬鳥の北帰行がそろそろ終わる能義平野(安来市)を夕暮れ間際に訪れた。鳥たちの姿はめっきり減っていたが、その中でガンの仲間のヒシクイを見つけた。

 ヒシクイはカモ目カモ科。体長約八五センチ。白鳥よりは小さいが、マガンより大きい。湖や沼に生息する冬鳥。白い尻とオレンジ色の脚が特徴だ。

 名前の由来は、ヒシの実を好むことから「菱(ひし)食い」の名前がついたといわれている。警戒心が強く、池や水田の浅瀬や河口など人間が立ち入りにくい場所をねぐらとし、昼間は田んぼなどで落ち穂などをついばむ。

 ファインダー越しに眺める。野太い声で鳴きながら、コハクチョウと一緒に餌をついばんでいたヒシクイが首をもたげた。あどけない顔に親近感を覚えた。まもなく繁殖のため、ユーラシア大陸に帰って行く。

2007年3月20日 無断転載禁止