世界有数のすごい銀山 九大名誉教授講演

石見銀山で採掘された銀鉱石の品位について報告する井沢英二九州大学名誉教授(中央)
 鉱山学から見た石見銀山遺跡の最新の研究成果を披露する講演会が十五日、大田市三瓶町の県立三瓶自然館サヒメルであり、九州大学の井沢英二名誉教授が「石見銀山は素晴らしい品位の銀鉱石を産出した世界有数のすごい銀山だった」と強調した。

 「輝く銀鉱石の発見と採掘」と題し講演した井沢氏は、最盛期の江戸初期、年間十トンの銀を生産した石見銀山が「世界でも最大級の銀山だった」と指摘。世界史の中で果たした役割を「欧州や中国で産出量が減って銀が枯渇した十六世紀前半に開発され、銀を用いる貿易を救った。アジアで鉱山開発の先陣を切り世界で注目された」と位置づけた。

 さらに近年、取り組んできた石見銀山の銀鉱石の分析結果として、明治、大正時代に永久鉱床の馬之背鉉(うまのせつる)で採取された鉱石に、銀が11%も含まれていた事実を報告した。

 江戸初期に高品位の銀鉱石は30-40%、中品位の鉱石で10%の銀を含んでいたとする古文書の記載について当初、「大げさな表現と思っていた」としながら、現在は分析結果に基づき「中世末から江戸初期には銀が40-50%を占める超高品位の自然銀が取れただろう」と推測しているとした。

 さらに、大田市大森町の仙ノ山で銀が採掘された福石鉱床の下に「優れた銀鉱床があるかもしれない」とロマンを膨らませた。

2007年4月16日 無断転載禁止