取材班・出雲高校新聞部 高校生の結婚観

 「結婚」-遠いようで近い未来。島根県の2005年の平均初婚年齢は男性29・1歳、女性27・4歳と、20年前に比べ、それぞれ1・0歳、2・1歳高くなった。少子・高齢化の原因として、若者の非婚・晩婚化が問題視されるなか、高校生の結婚観の変化について調べてみた。

 出雲高、出雲工、出雲農林1031人に聞きました

 調査は、出雲高校新聞部が同校、出雲工業、出雲農林高校の生徒1031人にアンケートを行い、1991年に出雲高校生徒会が同校生に実施した前回の調査と比較した。

 まず「結婚したいか」という問いに「はい」と答えた生徒は77%で、前回から11ポイント減り、「いいえ」とした高校生も3%と3分の1に減少。一方で「分からない」とした生徒が20%と前回の10倍近くに増え、結婚について明確な答えを持てない高校生が増加していることが分かった。

 結婚する目的について「将来の幸せ」とした生徒が前回より11ポイント増え、最多の39%。前回最多の「好きな人と一緒になるため」は24%で、12ポイント減少し、現実化傾向がうかがえた。あこがれめいた幸せでなく、形ある幸せのため、地に足のついた生き方を望む高校生の増加と受け取ることができる。

 望ましい結婚生活における男女の役割について聞いたところ、「共働きで家事も半々」が男子69%(前回30%)、女子83%(前回50%)で圧倒的多数。前回、男子の70%を占めていた「男は仕事・女は家事」「共働きで家事は女」が30%に激減。女性の社会進出をはじめ、家庭科の男女共修や人権教育の成果と言える。

 前回との比較はないが、「結婚後に島根県に住みたいか」という問いに「まだどちらとも言えない」が51%。「住みたい」は22%、「住まない」は25%だった。「住みたい」とした人に島根に望むもの、「住まない」とした人に理由を尋ねたところ、ともに「働き口」が最多で、それぞれ40%、26%だった。

 高校生の結婚観は16年で大きく変化。家庭での役割について男女の意識差はなくなりつつあり、結婚へのハードルは低くなったように見える。一方で「結婚したい」とはっきり言えない生徒が増加しているのは、多くの高校生が結婚を現実問題として考え、不安を抱いているからではないだろうか。若者が島根県で結婚への一歩を自信を持って踏み出すには、雇用の確保など、社会基盤の整備も重要になる。



 出雲市役所少子対策課米田敬止課長に聞く
 高校生が結婚を現実問題として考えた場合、障害の一つと思われるのは子育ての不安。子育て支援に取り組む出雲市役所少子対策課の米田敬止課長に、現状や対策について聞いた。

出雲市の子育て支援策について話す米田敬止課長(左から2人目)
 -婚姻率の低下に対して市ではどう対処しているか

 「市の調査では、婚姻率低下の原因に市民から『独身生活は自由が多い』『女性の経済力が向上した』などが寄せられた。出雲市では出産後の経済支援、就労支援に関する雇用者側への要請、保育サービスの充実などを行い、子育てしやすい環境づくりを目指している。育児しやすい環境が整えば、結婚観が変わり婚姻率も向上すると考えている」

 -子育てに対する意識は

 「出雲市の子育て支援センターには最近、父親が子どもを連れて来るようになった。以前は皆無に近かったので、うれしい変化だ。高校生の意識も変わり、男性の育児参加はますます進んでいくだろう。しかし一方で、依然として、女性が子どもを預けて働くことに冷たい反応を示す人もおり、社会の意識を変えていく必要もある」


 編集後記

 今回取材に協力していただいた、米田さん、川口さん、アンケートに協力してくださった出雲農林、出雲工業高校の生徒の皆さん、ありがとうございました。とても分かりやすいお話で、長時間熱心に語っていただきました。高校生の普段の生活では結婚や子育てにかかわることがめったにないので、今まであまり知らなかった現在の実情や、それに対する市の対策を知る良い機会になりました。この経験をいかして、より良い新聞を作りたいと思います。(出雲高校新聞部・松本卓也・金子慶太・藤井智史)


 部活動紹介

 出雲高校新聞部は現在部員3人で活動しています。年間の新聞発行回数は4回と少ないですが、毎回部員全員と顧問で協力し合って、全校の生徒が読んで楽しめるような新聞を作っています。また、もっと多くの部員で幅広い活動をしていくため、積極的に1、2年生への勧誘を行っています。

2007年4月27日 無断転載禁止

こども新聞