旅行業者「ツアー」継続 石見銀山

 石見銀山遺跡の今夏の世界遺産登録を見込み、「銀山ツアー」を商品化した大手旅行会社は十四日、イコモスが下した「登録延期」の評価を冷静に受け止め、今後も販売を続ける姿勢を示した。各社とも、銀山の魅力を高く評価。登録に向けた努力と、観光地としての受け皿づくりの進展に、強い期待を寄せた。

 旅行業界では今夏の登録を前提に、銀山への注目度が上昇。県によると、銀山ツアーを販売する旅行会社は十社以上ある。

 それだけに「登録延期」に伴う対応が注目されたが、ANAセールス広報室の前田誠担当は「延期評価は残念だが、銀山周辺は観光地として十分に魅力的」と冷静に受け止め、今後も関連ツアーの販売を続ける方針を強調。JTBや近畿日本ツーリスト、JALツアーズなども同様の考えを示した。

 ただ、銀山の集客力を高める世界遺産登録への期待は消えず、ANAセールスの前田担当は「国や県など関係機関は、登録に向けた活動の強化を」と注文。登録の可否に関する情報の開示や、ボランティア観光ガイドなど、登録に向けて進んだ受け皿づくりを一層進めるよう求める声も相次いだ。

 一方、県内企業の間でも、登録をにらんだ新商品やサービスが相次いでいる。銀山にちなんだ焼酎を販売する一宮酒造(大田市)の浅野浩司社長は「今後も全国で販路開拓を進める」と、銀山の知名度向上に向けた取り組みの重要性を強調。

 大田、広島両市を結ぶ直行バスを三月から運行している石見交通(益田市)の小河英樹社長も「交通アクセスは観光地の評価を決める要素」と、登録を信じて路線を維持する考えを明言した。

2007年5月15日 無断転載禁止