中村俊郎さんが石見銀製の古丁銀を購入

「萩葉古丁銀」を公開した中村俊郎さん=大田市大森町
 室町時代末期に石見銀山で産出した銀で造られた「萩葉古丁銀」(はぎばこちょうぎん)を、大田市大森町で義肢装具メーカーを経営する中村俊郎さん(59)が購入し二十三日、報道陣に公開した。石見銀製の丁銀では最も古いタイプで、国内でも極めて貴重な資料。中村さんは「約四百五十年ぶりに里帰りした丁銀を石見銀山遺跡の世界遺産登録に向け活用したい」と意欲を燃やす。

 丁銀は、縦十・三センチ、幅五・三センチ、重さ百三十二グラムの完形品。中央に鍛造の際にできた亀裂があり、表面に金づちで打ち延ばした跡が刻まれている。萩の葉に見立てた呼称で、光を受けきらきらと輝く。

 同丁銀は日銀などで古銭鑑定人を務めた研究者の故小川浩氏が鑑定、所蔵していた物で、同氏が出版した「古貨幣価格図譜」に掲載されている。

 中村さんは東京の貨幣商から六百五十万円で購入した。

 造られた当時、まだ貨幣ではなく、宝物として皇室への貢ぎ物や、戦場で功績を挙げた武士に褒美として贈られた。

 石見銀製の丁銀のうち、毛利博物館が所蔵し、元亀元(一五七〇)年と記された丁銀に同様の亀裂があることなどから、同時代前後で、戦国武将の大内氏や尼子氏が石見銀山を支配していた時代の物と思われる。島根県が所蔵し、刻印が打たれた「御取納(おとりおさめ)丁銀」など三点より古いとみられる。

 中村さんは「地元へ帰ってきたことを住民と喜びたい」と話す。今夏の石見銀山展や、期間を限定し石見銀山資料館などでの公開を検討する。

2007年5月23日 無断転載禁止