ユネスコ近藤全権大使が石見銀山を視察

釜屋間歩で説明を受ける近藤大使(左から2人目)
 世界遺産登録を目指す大田市の石見銀山遺跡を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)日本政府代表部の近藤誠一特命全権大使が二十八日、視察した。登録前に、大使が候補地を訪れるのは異例。間歩や町並み、港などを実際に歩き、「十分に世界遺産として誇れる価値があると確信した」として、登録を最終決定する六月下旬からの世界遺産委員会に向け、全力で構成各国へ働き掛ける決意を示した。

 パリのユネスコ本部で、日本のトップとして活動する近藤大使の視察は、五月十二日にユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録延期」を勧告したことを受けて急きょ決定。溝口善兵衛島根県知事、竹腰創一大田市長とともに、銀山公園で遺跡の概要について説明を受けた後、戦国時代後期から銀の採掘や精錬が行われた遺構が残る仙ノ山本谷地区を歩いた。

 額に汗し、食い入るように遺構に見入った近藤大使は、各国大使らへの説明に活用するため、持参したデジタルカメラで二十枚近く遺構や景観を撮影。大田市の大国晴雄教育部長から解説を受け、仙ノ山山頂付近に鉱山町があった石銀(いしがね)地区、釜屋、大久保間歩などを回ったほか、大森地区や沖泊港にも足を運んだ。

 視察を終えた近藤大使は、イコモスの厳しい評価内容について「遺跡が埋もれており、目に見えにくく分かりづらいため」と分析。登録に向けた各国大使への働き掛けを最重要戦略と位置付け、政府代表部を総動員して外交活動に最善を尽くすと決意表明した。

2007年5月28日 無断転載禁止