取材班・安来高校新聞部 郷土愛「安来が好き」60%超

 高校生として将来について関心を持つようになり、卒業後の進学や就職を考えているクラスメートも多い。なかには地元を離れ、県外進学・就職を希望する生徒もいる。今回はあらためて私たちの生まれ育った地域を見つめ直してみたいと感じ、「郷土愛」というテーマでアンケート調査をした。調査は、安来高校の1-3年生487人を対象に5月上旬実施した。

 地域の伝統芸能に誇り

▽「田舎」「自然多い」

 「あなたは安来が好きですか」という問いでは「はい」が男子62%、女子68%と高く、理由は「自然が多い」「田舎だから」「人が温かい」の順となった。一方、「いいえ」と回答した理由でも「田舎だから」が多く、安来の地域性を物語っている。

 「将来の進学・就職先」に関する問いでは「県外」を希望する回答が多く見られた。県外希望の割合は学年が上がるにつれて高くなり、3年生になると男女ともに6割を占めた。県内の求人状況に比べて県外に選択肢が多いことが原因ではないか。

 「世界に誇れる安来の良いところは」では「自然が多い」が67人、「田舎であるところ」が55人と、全体の20%が回答。「鋼」(40人)、「人の温かさ」(33人)、「安来節」(同)などが続いた。「独自の伝統文化」「安来節をみんなが一度は勉強すること」などの回答もあり、地域の取り組みに目を向け、それを誇りとしている生徒の姿も浮かび上がった。

▽イメージは「静」

 「安来のイメージを漢字一字で表すと」では、「静」(48人)、「田」(30人)、「安」(26人)、「緑」(20人)、「和」(16人)が上位となった。「寂」「陰」など、いわば安来の持つ影の部分に着目した回答もあった。

 「今の安来に足りないもの」では、大型店や遊戯施設などの施設を求める回答が113人あった。「現在、または将来、安来のためにしたいこと」での回答では「自然を守る」が最も多い68人で、次いで「安来に帰って来たい」「安来を発展させる」「安来節や文化を守る」などという意見もあったが、「一生懸命生きる」という回答にはじーんときた。

 アンケート結果では、安来高生がいかに郷土に親しみ、愛情を持っているかがよく分かる。また、安来の地に貢献しようという思いが深く強いことが明らかになった。


 4代目渡部お糸さんに聞く 「安来節」を保存から発展に

 安来高生が郷土に親しみを持っているのは、伝統文化の魅力を発信する側の活動も大きい。安来節家元・4代目渡部お糸さんに安来節の魅力や思い入れ、安来節保存会の活動について聞いた。

安来節家元・4代目渡部お糸さん(左)に取材する安来高校の生徒=安来市安来町、やすぎ懐古館一風亭
 -安来節の魅力は。
 「唄、銭太鼓、どじょうすくいなどで構成され、人生を表現するにふさわしい伝統芸能である」

 -高校生などの若者に安来節を教える「安来節教室」の目的は。
 「安来節が根付いた安来に住んでいることに誇りを持ってほしいし、若い人が趣味の一つとして覚えてほしい。将来県外に出た場合、安来節という伝統芸能が地元にあることを多くの人に伝えてもらいたい、という思いを込めて教室を続けている」

 -海外公演の経験は。
 「数十年前にブラジル公演を行い、安来節で人々に喜びを与えることができることが分かった。アメリカやタイでも公演したことがある」

 -今後の活動は。
 「安来節は島根にとっての宝だが、わたしにとっても宝だ。安来節保存会に『保存会』という名称が付いているが、保存から発展につなげていき、安来節の格を上げたい。今そういう思いで取り組んでいる」


取材後記
 今回の「青春はつらつ新聞」はどうでしたか。やはり、安来高校の生徒は生まれ育った地元が好きなようです。アンケート結果をまとめながら、あらためて生徒の郷土愛の強さを実感しました。安来節家元・4代目渡部お糸さんへの取材では、安来節の奥深さやお糸さんの情熱が伝わりました。中間試験期間と執筆が重なり慌ただしかったですが、とても良い経験になりました。
 (安来高校新聞部・山口夏織、秦沙妃子、石原大輔)

部活動紹介
 安来高校新聞部は3年生3人で活動しています。休部状態だった活動を昨年9月に復活させました。これまでに新生徒会発足や卒業式、入学式などを話題に取り上げ、発行しました。経験が浅いため「勢い」で作ってきましたが、なかなか好評のようです。
 部活と勉強に追われる毎日ですが、島根県で夏に開催される全国高校総合文化祭島根大会に向けての準備を頑張りたいです。

2007年6月1日 無断転載禁止

こども新聞