銀塊盗難 大田・石見銀山特産品センター

石見銀山特産品センターの店内。盗まれた銀塊は手前左側の布の上に置かれていた=大田市大森町
 石見銀山遺跡の世界遺産登録を目指す大田市大森町の石見銀山特産品センターで九日、観光客が自由に触れるよう展示していた三・二五キロの銀塊(時価二十二万八千円)が盗まれ、大田署が窃盗事件として捜査している。所有者は「物を盗むような客が銀山に来るようになったのは悲しい」と嘆く。

 盗まれた銀塊は非売品で縦二十センチ、横八センチ、厚さ二センチ。「石見銀」などと刻印されていた。

 同署の調べで、銀塊は九日午前九時の開店時に店の入り口近くの高さ七十センチの台上にあったが、午後三時ごろ女性店員がなくなっているのに気付き、一一〇番通報した。

 当時、店員二人がいて、レジカウンターから約二メートルの目立つ場所に銀塊が置いてあったが、店内は約二十四平方メートルと狭く、入店客が集中すると銀塊が死角に入り見えなくなっていた、という。

 銀塊は、銀の工芸品を製造販売する石州堂(大田町)の高川実社長(69)が「銀山に来ても銀が見られない」との観光客の指摘を受け二〇〇〇年の同センター開店時から展示。手に取って重みを感じられるよう、ケースに入れずに鎖も付けていなかった。

 当時勤務していた店員の内田美鈴さん(36)は「働いて四年になるが盗まれた物はない。観光客に人気があっただけに許せない。ぜひ返して」と憤慨。高川社長は「持ち去っても気持ちが晴れないだろう。もう店に置けない」と肩を落とす。

2007年6月12日 無断転載禁止