石見銀山の世界遺産登録で補足情報

 今年の世界遺産登録で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)から登録延期勧告が示された大田市の石見銀山遺跡について、日本政府の見解を示す補足情報が十三日、発表された。重要な価値証明では「最低限の発掘調査で価値は十分に証明できている」と主張している。

 補足情報は、価値証明や真正性でイコモスが指摘した五項目に対する主張などで構成。イコモスに送るとともに世界遺産委員会の構成国に協力要請する資料に活用し、二十三日からの同委員会で評価引き上げを目指す。

 世界遺産にふさわしい価値証明では、石見銀山遺跡を「大量で良質の銀生産に成功した極めて重要な考古学的遺跡」と位置付けた日本の推薦書に対し、イコモスは「さらなる調査研究」との注文を付けていた。

 会見した文化庁の岩本健吾記念物課長は、要求を受け入れれば全面発掘が必要となり遺跡破壊につながると指摘。イコモス自身が遺構の保存を前提に発掘面積の抑制を決めた憲章を挙げて「指摘は(憲章に対する)理解不足」と反論した。

 このほか、イコモスが求めた文化財の指定範囲の拡大については、指摘に沿った形で、銀山街道の一部と大森町の町並み保存地区で追加的に指定と選定を行う方針を盛り込んだ。

 外務省は同日、世界遺産委員会を構成する二十カ国の日本大使館に各国政府へ協力要請を行うよう指示。ユネスコ日本代表部の近藤誠一特命全権大使も働きかける。岩本課長は「主張が理解されれば登録もあり得る。最善を尽くす」と話した。

 日本側の見解をまとめた資料は、「反論書」「意見書」「追加情報」と次々と名称が変わったが、外交交渉で相手国に受け入れやすいよう最終的に「補足情報」の表現になった。

2007年6月13日 無断転載禁止