あすから世界遺産委員会が開幕

石見銀山遺跡の世界遺産登録への機運を盛り上げるために設けられた看板。ユネスコ世界遺産委員会の場で登録の可否が決まる=大田市大森町
 島根県や大田市などが世界遺産登録を目指す石見銀山遺跡は、二十三日からニュージーランドのクライストチャーチで開催される国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第三十一回世界遺産委員会で登録の可否が決定される。ユネスコの諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は登録延期勧告を示しており、評価の格上げに向け委員会国に対する日本政府の協力要請が焦点となる。

 今年の新規遺産登録候補は自然遺産と文化遺産、複合遺産の三種類あり、審査対象は四十五件。イコモスから五月十二日に登録延期の厳しい勧告を示された石見銀山遺跡は、二十七日か二十八日に十九番目で審査を受ける。

 審査ではイコモスが最終的な勧告内容を提示。韓国やオランダなど二十の委員会国の代表が議論する。日本には発言権がないため、他国が日本側の発言を求めて支援し、ユネスコ日本代表部の近藤誠一特命全権大使が説得力を持つ主張ができるかがポイントとなる。

 世界遺産委員会での決議は、登録が適当とする「登録」、今年の遺産登録には足らない面がある「情報照会」、世界遺産として価値証明が不十分とする「登録延期」、登録を認めない「不登録」の四種類。

 石見銀山遺跡が、今回の世界遺産委員会で登録されるには、二段階の評価格上げが必要となる。一つ上の情報照会に上げるにも、イコモスが全面否定している同遺跡の普遍的な価値が委員会の場で認められることが不可欠になる。

 情報照会に格上げされれば、最速で来年の世界遺産委員会での審議に道が開ける。逆に、登録延期のままなら、推薦書の作り直しが求められ、最も早くても次回の審議は二〇〇九年で、作業に数年かかる場合もある。

 イコモスの評価に対しては、日本側が巻き返しに転じ、近藤大使が五月二十八日に石見銀山遺跡を視察。文化庁、島根県、大田市は「価値は十分に証明できている」との補足情報を作成し、近藤大使が委員会国に協力要請をしている。

2007年6月21日 無断転載禁止