石見銀山遺跡の世界遺産登録 早ければ27日に可否

 【ニュージーランド・クライストチャーチ26日=引野道生】世界遺産登録を目指す大田市の石見銀山遺跡は、当地で開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第三十一回世界遺産委員会で、早ければ二十七日に登録の可否が示される。日本政府代表団は審査直前まで働きかけを強め、登録延期勧告からの評価格上げを目指す。

 代表団は、トップの近藤誠一ユネスコ日本代表部特命全権大使が精力的に活動。協力要請で三巡した二十の委員会国の反応を「決して悪くない」とし、国際記念物遺跡会議(イコモス)の登録延期勧告を「厳しすぎると思ってもらえる反応もあった」と説明した。

 審査見通しについては「予断を許さない」と従来の考えを繰り返す一方で、審議の場で好感触を得た数カ国が会議をリードすることを期待。「良い結果に結びつくことがある」と希望的観測も述べた。日本は委員会で副議長国を務めている。

 石見銀山遺跡の審査日程は当初の二十七日から二十八日にずれ込む可能性が出てきた。二十六日の委員会で、登録済みの中東・オマーンの自然遺産を、同国が遺産から外すよう求めた前代未聞の要請があって審査が大幅に遅れたからだ。

 一方で、今回の委員会で登録の可否が審査される遺産候補は、石見銀山遺跡を含む四十五件の予定だったが、取り下げる国があり、件数は三十六件に減少。同遺跡の審査日時は二十七日朝にめどが立つとみられる。

 また、イコモスによる石見銀山遺跡の現地調査を担当したオーストラリアのダンカン・マーシャル氏は現地で「イコモスは注意深く考え審査をしたはずであり、結論に同意する」と強調した。

 さらに「評価報告書は今回は駄目でも石見銀山遺跡が将来、登録される可能性があるとしている。そのためには証拠を出さねばならず、世界的な価値を証明することが必要だ」と指摘した。

2007年6月26日 無断転載禁止