世界遺産登録で大きな反響

大量に送られてくるガイド申し込み用紙の整理に追われる「石見銀山ガイドの会」のメンバー=大田市大森町
 石見銀山の世界遺産登録決定から一夜明けた二十九日、大田市大森町には早速、観光客らが詰め掛けた。ガイドの会などには、旅行会社の申し込みが殺到。住民や関係者は、登録効果の大きさを実感しつつ、対応に追われた。

 出雲市の実家に里帰り中だった三重県の岸田春美さん(67)、恭子さん(65)夫婦は、急きょ同町を訪れ「登録直後に来ることができ、一生の思い出になった」と満足した様子だった。

 駐車場の誘導をする地元のボランティア、木曽重美さん(50)は終日、観光客から「おめでとう」「これから大変ですね」と激励を受け、笑顔で応えた。同日は、関西や山陽など県外客が多数来訪。「金曜日にしては個人客が多い。今日は大丈夫だが、週末に殺到すれば、対応しきれない事態が起きるかも」との不安もよぎった。

 町内の店頭に張られた「祝・世界遺産登録決定」を執筆した大森観光開発協会理事の木建通夫さん(89)も「登録はうれしかったが、駐車場や防犯対策などこれからが大変」と、喜びの中にも複雑な表情がのぞいた。

 「石見銀山ガイドの会」には、前日から、申し込みのファクスが約三百枚届いた。登録を待っていた旅行会社が一斉にツアーを組んだとみられ、まとめて数十枚送る社も。勝部昌正さん(68)は「滞在時間が短いと、魅力を十分伝えきれないのが心配。我々も価値を理解してもらえるよう、努力したい」と話した。

 バス駐車場の予約を受ける市観光協会にも、三百五十件超のファクス。田原博事務局長(56)は「一日二十五台が限度。日時が重なった場合、変更のお願いをしなければ」と整理に追われた。

 大田市役所は、前日の祝賀一色のムードが薄れ、登録記念行事の協議などに奔走。観光客の増加が確実視される中、駐車場不足や、ガイダンス施設の整備の遅れなどの課題も山積する。受け入れ態勢などを練る市販売流通課の和田亮課長は「関係者と連携し、石見銀山らしい、しっかりした態勢づくりを急ぎたい」と気を引き締めた。

2007年6月29日 無断転載禁止