石見銀山遺跡を正式登録

 ニュージーランド・クライストチャーチで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第三十一回世界遺産委員会は二日、大田市の石見銀山遺跡など計二十二件を新たに世界遺産に正式登録する決議を採択して閉幕した。同遺跡は国内十四件目、アジアの産業遺産では初の世界遺産となった。同委員会は登録決議に伴う勧告で、同市が建設している拠点施設の整備など四項目の実施を日本政府に求めた。

 外務省や文化庁などを経て、大田市に石見銀山遺跡の登録決定が届いたのは同日午後三時すぎ。同市大田町の市役所前では、竹腰創一市長が「歴史的な日を市民とともに喜びたい」と述べ、関係者とくす玉を割って祝賀ムードに包まれた。

 一方、文化庁は、同委員会の勧告内容を発表した。決議概要はまず、推薦書で提案されたパークアンドライドによる観光客の受け入れ態勢実施や拠点施設整備の完了、歴史的な建造物群の保存事業の継続に注意を払うことを求めた。

 さらに▽竹やぶで破壊される地下遺構を保護するための考古学的発掘計画の推進▽山陰道建設が遺跡に影響がないようにし、石州瓦用の陶土採掘計画の策定▽アジア地域の鉱山遺跡とのテーマ別研究の実施-の三項目にも言及している。

 竹腰市長は会見で、諮問機関の登録延期勧告を覆しての登録を「喜びもひとしお」とあらためて強調。その上で「世界に石見銀山遺跡を情報発信する責務を負い、登録を新たなスタートに山積する課題に取り組む」と意欲を示した。

2007年7月2日 無断転載禁止