重文「辻が花染丁子文道服」 銀山展で公開13日まで

徳川家康が着ていたとされ、来館者の関心を集めている辻が花染丁子文道服=出雲市大社町、島根県立古代出雲歴史博物館
 石見銀山遺跡の世界遺産登録を記念して開催中の「輝きふたたび石見銀山展」で、出雲市大社町の島根県立古代出雲歴史博物館に出品されている国の重要文化財「辻が花染丁子文道服(つじがはなぞめちょうじもんどうふく)」の展示が十三日までとなった。来場者は石見銀山が最盛期を迎えた時代の染織工芸の逸品に見入っている。

 道服は、大田市大森町の清水寺が所蔵し、京都国立博物館に寄託されている。

 釜屋間歩の開発に成功した鉱山師・安原伝兵衛が一六〇三年、伏見城で徳川家康にはいえつした時、一間四方の盤上に輝く銀鉱石を蓬莱(ほうらい)山のように高く積み上げて献上。これに感激した家康が、自ら着ていた道服を伝兵衛に与えたと伝わる。優れた色彩感覚が感じられ、丁子文の先端まで辻が花染という絞り染めの技法ではっきり染め分けられている。

 一方、同間歩から掘り出された自然銀で造ったとされる銀造観音菩薩立像(清水寺所蔵)が大田市大森町の石見銀山資料館会場で、九月二十四日まで公開されている。

 古代出雲歴史博物館の岡宏三専門学芸員は「道服が公開される機会は、めったにないので、銀山がシルバーラッシュにわいた時代の逸品を多くの人に見てもらえれば」と話している。

2007年8月10日 無断転載禁止