パリ・オペラ座バレエ団公演 島根大学付属小記者が取材

 世界の頂点に君臨するパリ・オペラ座バレエ団のトップダンサーたちによる公演「ルグリと輝ける仲間たち」が7月27日、松江市殿町の島根県民会館でありました。世界中で高い評価と人気を集めるバレエ界のスター、マニュエル・ルグリらトッププロの公演の舞台裏を、自らもバレエを習っている島根大学付属小学校の7人の児童が2日間にわたり取材。記事にまとめました。

 「世界一」を見た!会えた! 感動の舞台裏再現

舞台準備
 7月25日、朝から舞台仕込みが行われた。人数はざっと見て40人から50人くらい。うち30人は東京から来られたそうだ。

衣しょう部屋を取材し、スタッフから説明を受ける子ども記者たち=松江市殿町、島根県民会館
 仕込みはまず「つり物(オペラカーテン、照明、背景)」から。ライトや幕を取り付け、だんだん舞台らしくなってきた。黒地に白いペンキで落書きをしたような変わった背景幕があり、本番でどのように変身するのか気になった。

 次は床だ。ステージの床の上に、パレットという板が敷かれる。全部で100枚くらいあり、1枚を4人で持ち、パズルをはめこむ感じで舞台の中心からならべていった。その上に、リノリウムのシートをはっていった。

 床はダンサーの足首を守り、つま先まできれいに見せるため、舞台の中でも一番大切な部分だ。その作業はとても細かくて厳しかった。

衣しょう部屋
 次は衣しょう部屋へ行った。衣しょう担当の人もこの舞台のために東京から6人も来られていた。衣しょうはほとんどオペラ座から借りてきたものだそうだ。

 ラインストーンがたくさんついていて、ししゅうも細かく、丁寧に作られたごうかな衣しょうだった。こわれたり、よごれたりすると直すのに手間がかかるそうだ。アイロンやミシンも何台かあり、私たちが勉強会で着る衣しょうよりも大事にあつかわれていた。

レッスン
 次は楽しみにしていたレッスンの取材だった。はじめはバーを使ったレッスン。わたしたちのふだんのレッスンとは少し違い、テンポも速いし、ふり付けをする人が少し教えたら、ダンサーはもうそれをピアノの伴奏で踊っていた。ダンサーはどの人も手を少しかえたりテンポをかえたりしていた。わたしたちは、先生に細かく教えていただいているが、プロへの指示は短かった。

 27日には、本番前のレッスンを取材した。自分の足の動きが今、どうなっているか見て確かめながら丁寧に踊っていた。基本がしっかりとできているから、舞台でのすばらしい踊りができるのだと思った。

本番
 午後7時から、いよいよ本番が始まった。「黒鳥のパ・ド・ドゥ」では、ダンサーが表情や動きなど、役になりきっていた。マニュエル・ルグリの最初の演目「小さな死」は、体の柔らかさをうまく使って、とても迫力があった。ドロテ・ジルベールとマチュー・ガニオの「ドニゼッティ-パ・ド・ドゥ」は、初演ということだったが、そうは思えないほど息が合っていてすてきだった。

 群舞の「ビフォア・ナイトフォール」では、舞台づくりのときに気になった背景の幕が真っ暗な中で浮かび上がり、踊りの雰囲気がとてもよく出ていた。

 最後の演目の「オネーギン」は、ベテランのルグリとモニク・ルディエールの名コンビが、すばらしい踊りを見せてくれた。わたしたちは、カーテンコールで花束ぞうていをさせていただいた。ぶたいそでで待っていると、「オネーギン」が終わり、ほかの若いダンサーたちが、感動の声をあげていた。泣いている人もいた。若いダンサーにとっても、ルグリとルディエールは特別な存在なんだと思った。

 花たばをわたした時に、ダンサーが抱きしめてくれ、日本語で「ありがとう」と言われた。とても興奮した。うれしかった。
 (まとめ・島田沙羅、山本結菜、八橋瑠奈)


 ルグリさんたちにインタビュー 食事に注意、読書は幅広く

バレエ界のスター、マニュエル・ルグリと子ども記者たち=松江市殿町、島根県民会館
 私たちがインタビューをして、特に印象に残ったことは5つあります。

 1つ目は「舞台前には油っぽい物や甘い物を食べるのはさけること」です。アニエス・ルテステュさんが言われるには、こういう物を食べると筋肉がこわばるからだそうです。

 2つ目は「本番前や本番中にチョコレートを食べるようにしていること」です。チョコレートを食べることによって、ストレスを軽くしているそうです。

 3つ目は「人生ではすべてのバランス、調和をとることが大事」と、モニク・ルディエールさんが言われたことです。

 4つ目は「公演で見た演目の本など、何でも幅広く本を読み、バレエの興味をふくらませてください」と、私たちに言われたことです。

 5つ目は、マニュエル・ルグリさんに「いろんな所でいろんな人に会うことも大切なこと」と言われたことです。

 ルグリさん、ルディエールさん、ルテステュさんの3人に教えていただいた、これらの5つのことを大切に心にきざんで、私たちもこれから頑張っていきたいと思います。
 (まとめ・内田夕菜)


 パリ・オペラ座バレエ団 1661年、ルイ14世が創設した世界最古のバレエ団。団員は幼少時から全寮制のバレエ学校で教育を受け、ごく少数のみが入団を許される。群舞の「カドリーユ」から、昇格試験で「コリフェ」、ソリストの「スジェ」、「プルミエ・ダンスール」と上り、頂点に輝くのが「エトワール」(仏語で「星」の意味)。

 マニュエル・ルグリ パリ・オペラ座バレエ団エトワール。世界で最も活躍するトップダンサーの一人。1980年、16歳で入団し、86年に「スジェ」から異例の飛び級で「エトワール」に任命された。2008年シーズンをもって、パリ・オペラ座を引退する。

2007年8月31日 無断転載禁止

こども新聞