石見銀山シンポジウム 逆転登録の裏話に感銘

エピソード満載のパネリストの語りに沸くシンポジウムの来場者=大田市大田町、サンレディー大田
 大田市の石見銀山遺跡の世界遺産登録を記念して8日に同市で開かれたシンポジウム「石見銀山を語ろう」には、市民や歴史ファンら500人が詰めかけた。逆転登録の経緯や夢を語るパネリストの議論は盛り上がり、誇るべき「世界の宝」への思いを会場が共有した。

 聴衆が最も注目したのは、登録の立役者になった近藤誠一ユネスコ日本政府代表部大使。披露された登録会議で各国代表を説得した戦略や裏話に島根県美郷町の小野博之さん(64)は「このような外交努力があったとは」と感銘した。

 近藤大使には、旧知の仲でもある溝口善兵衛島根県知事ら他のパネリストからも称賛する声が相次いだ。また、パネリストで大田高2年、西谷真実さん(16)が冒頭に花束を贈呈する予定外の「サプライズ」もあり、大いに盛り上がった。

 今後の振興策の議論も白熱。観光振興を軸にした広島県内の世界遺産との連携や、遺産価値を端的に示せるような体験型の施設を求める意見が出た。パネリストの発言には拍手が送られ、市民の銀山の新たなスタートへの関心の高さを示した。

 議論を聞き終えた大田高2年、上田章博さん(17)は「分かりやすく教えてくれる施設が必要」と指摘。旅行中に立ち寄った島根県西ノ島町の中村ミドリさん(64)は「世界に銀を運んだことを体感するために、歩ける間歩の整備が進めば」と話した。

2007年9月10日 無断転載禁止