大森の重伝建地区を追加選定へ

背後の山地も重要伝統建造物群保存地区に含まれることになった大森町の町並み=大田市大森町
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡について、国の文化審議会(石沢良昭会長)は19日、大田市大森町の大森銀山伝統的建造物群保存地区を重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に追加選定するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。12月に追加選定される見込み。同地区の区域を拡大し世界遺産として遺跡の保護を充実させる。

 同地区は1987年、旧大森町と旧銀山町の中心にあたる山吹城跡のふもとから代官所跡周辺までの町並み32.8ヘクタールが、全国で26番目の重伝建地区に選定。石見銀山に源を持つ町として周囲の自然環境とともに特色ある歴史的な風致を形成し、価値が高い。

 その後、島根県と大田市による同遺跡の総合調査の結果、町並み背後の緑豊かな山地で、寺社や石切り場などが確認され、保存地区との密接な関係が判明。

 また、羅漢寺南東側の上佐摩下地区は、明治20年代に道路が整備された後にできた町並みで、明治から昭和前半の町屋が残る。

 このため、町並みと背後の山地、上佐摩下地区との一体的な保存を図り、保存地区の範囲を129.9ヘクタール広げて162.7ヘクタールに拡大。保存地区から見える山の稜線(りょうせん)までを取り込む。拡大される区域は将来的に世界遺産の核心地域となる。

 保存地区内に住む住民は、158世帯369人から175世帯401人に増加。新たに保存地区となる17世帯32人は、家屋の増改築や修理の際、国の補助金を利用できる。

 答申を受け、竹腰創一大田市長は「町並み保存事業をより充実させる意味から大変うれしい。20年間にわたり住民と協働して進めてきた成果が認められた。世界遺産の範囲が拡大、充実することで、適切な保存管理が行える」と話した。

 今回の答申で、兵庫県豊岡市の出石城下町の新規選定が盛り込まれ、全国の重伝建地区は80地区となる。

2007年10月19日 無断転載禁止