五百羅漢に鎮魂の尺八 き乃はちさん奉納演奏

五百羅漢で「宙へ」を奉納演奏する「き乃はち」さん
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡の羅漢寺五百羅漢で九日、尺八奏者の「き乃はち」さん(36)が、石見銀山のイメージ曲「宙(そら)へ」を奉納演奏した。五百羅漢には銀山で亡くなった人々を供養する羅漢像が収められ、「鎮魂のため」との「き乃はち」さんの願いで実現。伸びやかな尺八の音が谷あいに響き渡った。

 「き乃はち」さんは、東京出身で、琴古流尺八に名を残した初代佐藤錦水を祖父に持つ。国立劇場で若手奏者として注目され、平和を音楽活動のテーマに、炉心が爆発したウクライナのチェルノブイリ原発四号炉などで慰霊演奏を手掛けた。

 大田では六月、レストランのオープニング記念で出演した際、都山流尺八をたしなむ竹腰創一市長と知り合い、十一月の同遺跡の世界遺産登録記念式典で「宙へ」を演奏。その際、遺跡を訪れ、五百羅漢での演奏を市長と羅漢寺に要望した。

 五百羅漢では四曲を披露し、二〇〇三年に作曲された「宙へ」は天空へ駆け昇るような調べが印象に残る。居合わせた観光客ら八十人が大きな拍手を送った。

 「き乃はち」さんは「石見銀山は霊山のイメージ。多くの人の暮らしや栄枯盛衰を感じる」と話した。

 同曲は来年三月、世界遺産・石見銀山イメージ曲としてCDが発売予定。

2007年12月12日 無断転載禁止